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モンスターハンター!3 10章

熱砂の銃槍師 10章です。


モンスターハンター! 熱砂の銃槍師


 10章 死闘

 小鳥の群れが、騒ぎながら頭上を散っていった。
 かごいっぱいに収穫したトウガラシを玄関まで運ぶと、オモチは空を見上げ、くしゃみをした。トウガラシは嫌いだ。猫舌には臭いまでからい。
 しかし、この艶やかな赤い実は雪山狩りに欠かせない耐寒剤の材料だ。特に冬場は多く使う。ヒューが帰ってきたら、二人で一日中これをごりごり磨り潰す日があるだろう。何事も大味な旦那は調合が下手だ。せっかく潰した粉を三度はくしゃみで吹き飛ばすに違いないから、マスクを用意しておくべきだ。
 短い夏が過ぎかけ、短い秋が訪れようとしている。ポッケ村の穏やかなある日、オモチは満足げに鼻を鳴らしていた――ああ、有能すぎる自分が怖い。
 家の正面にある水力リフトを使い、崖下の農場からガスも戻ってきた。ゴンドラから身軽に降りるとレバーを切り替えてリフトを止め、収穫物を運び出す。薬草、鉱石、川魚、虫。大した量ではなかったはずだが、ガスは箱とかごをすべて取り出しても、その場から動かなかった。額に手をかざし、陽光を反射しながら眼下にさざめき流れる谷川に沿って右手奥へ、南西へと長く連なる山々を眺めている。
 オモチは地に四足をつき、うんと伸びをしてからのんきな気分でガスの手伝いに向かった。
 途中で村に到着したばかりのハンターに尋ねられ、坂下にある集会所を教えてやる。高台にある専属ハンターの家からは村が一望できる。通りでは湯治客が立ち話をし、村人がのんびりと商いをしていた。人に引かれて従順に歩く大きなポポは、足元を転げまわる人とアイルーの子供らを踏まぬよう気遣わしげだ。当の小さなギャングたちは一向に気にせず、悪戯好きのランポスよろしく獣の長い毛をひっぱって遊ぶ。
 いつもどおりの、どこか退屈ですらある村の日常だった。そそっかしい旦那の起こす騒動もない。ヒューはいつ帰ってくるのかなとオモチはぼんやりし、ガスが振り向き、轟竜だ、鉦を鳴らせと叫んでも、彼が何を言ったのか一瞬理解できなかった。
 危急を知らす鉦が鳴り響く。
 はじめ戸惑う風情だった村は一気に恐慌に陥った。家々の窓や扉が閉じ、開き、悲鳴と怒声が錯綜する。村長が人々に避難所へ向かうよう大声で指示している。オモチはガスと家に飛びこみ、完全武装してまた飛びだした。混乱した人々はあらぬ方向へ走り、親とはぐれた子が泣いている。迷って足を止めたガスを、片足を引きずって駆けてきたザクセンが叱咤して行けと言う。共に駆けつけてきたハンターは両手に満たない。あとは全員逃げた。
 雷鳴の咆哮が轟いた。
 圧縮した大気が極限で裂けた振動が、雪国の頑健な家々を骨組みまで震わせた。オモチは足をわななかせて毛玉のように総毛立ち、武器を抜いたハンターたちが後退る。
 雑貨屋の裏手に生えた数本の針葉樹が甲高い悲鳴をあげ、抵抗も重さも無く左右に倒れた。掛けられた重量に耐えきれず、屋根が軋んで沈む。多くの死で磨かれた鉤爪。あまりにも大きい。血と破壊と飢餓をまとわりつかせた凶牙の並びが、ぬっと現れた。生臭い鼻息が圧力となってオモチを押し退がらせ、轟竜は身を乗り出して涎を一筋たれ流した。
 なぜ《十字傷》がここにいるのか。フラヒヤに現れるのは少なくとも一月は先ではないのか。事態が信じられず、オモチはらちもないことをぐるぐる考える。村に最初の雪が降りる頃、きたる厳寒期に備えてガウシカが森に下り、肥ったポポが山にこもる時期。あるいは長い冬に耐え、消耗しきった獣が動きを鈍らせている春――。
 村人の恐怖の叫びが、沈黙の対峙を破る。刹那的に竜の注意が動き、店を踏み潰してハンターたちの頭上を跳躍した。逃げる村人を轢き飛ばして更に跳ね、村の奥で立ち往生していたポポの首に喰らいつく。獲物の身体に乗ったまま竜は大地をいくらか滑り、骨の砕ける音が響いた。ガンナーの一人がようやく発砲を開始した。
 突撃槍を脇に構え、雄叫びをあげてガスが走り出す。狩猟笛が吹き鳴らされ、弓が引き絞られて剣が閃く――だが、《十字傷》は狂ったように応じた。
 何が起きているのか、オモチは夢でも見ている気分だった。ハンターたちは面白いように弾き飛ばされ、銃弾や矢でさえも竜のひと吠えの前に砕け散った。牙と鉤爪が血濡れていく。焦り、閃光玉のタイミングがあわない。小タル爆弾をオモチは投げつけた。脅しにもならない小爆発に、なぜか竜は過激な反応を示した。相手をしていた剣士を放置し、ぐるりと向き直る。殺意に燃えた両眼が白ネコを探し当てた。
 ――なぜ、《十字傷》がポッケ村にいるのか。
 砂漠に、セクメーアにいるはずではなかったのか。つい先日、討伐狩猟を受注したと彼の旦那が手紙で寄こした。この村の専属ハンター。やや間が抜けていて、お調子者だが、危難の時に誰よりも揺るぎなく立つ銀髪の双剣士だ。両手に掴んだ紅刃で、いつも鮮やかに不安と恐怖を斬り裂いてくれる。
 飛竜とのあいだに割りこんだガスの盾が寸前で爪を防いだ。猶予も許さず大きく開いたあぎとが迫る。それでもオモチは別のものを必死に探し続けていた。
 ――あの双剣士は? ヒューは今どこにいる?
 目前に温かい鮮血が散った。


 「なんだ、これ……」
 悪夢に違いなかった。錆びつき毀れた最悪の刃で、魂の一部をえぐりとるような。
 ここはポッケ村じゃないんだと、反射的にヒューは思いかけた。自分の知る村とはあまりにも違いすぎる。動揺した視界に最初に見えてきたのは細部だった。
 木片と瓦礫の不自然な小山、なぜか半壊した建物からのぞく小奇麗な内装。白いレースのテーブルクロス、倒れた花瓶。川が溢れて水車が妙な空回りをし、むこうでは巨大な焚火が燃え盛って黒煙を吐いている。裂けた針葉樹の巨木が少し傾いて空を指し、そしてあちこちに倒れた人形が――人形?
 よく知った小太り体型の男が鼻からちょっぴり血を流し、目を開いたまま事切れているのを見つけたとき、突如現実は衝撃となってヒューの全身を打ちのめした。
 瓦礫は全壊した家だ。残った建物の壁にも巨大な爪痕が走っている。鼻を刺す異臭、火事の炎が火粉を噴いて魔物の舌さながら空を舐める。激しい熱波がこちらにまで届き、そこだけ無事だった村入口の木製アーチがきいきいと揺れた。麻痺した耳にやっと届いてくる呻き。泣き声、喘鳴、助けを呼ぶ、絶望の。逃げ遅れた村人と、倒れたハンターたち。
 肩で大きく二度、息をし、震える両腕でヒューは双剣を引き抜いていた。
 我が物顔で村の中央に居座る、いるはずのないティガレックス《十字傷》を、視線だけで殺せるものならできそうなほどの力で睨みつけて。
「何やってんだ、てめえ――!」
 血潮が憤怒で沸きたった。だが、対する轟竜の反応も異常だった。
 ヒューの怒号が響くなり、むしゃぶりついていたポポの残骸を振り散らして竜は反転した。頭にへばりついた肉片と血を落としもせず低く身構えて先に立つ双剣士を見、いきなり逆上したのだ。
 前肢を踏みしめ胸をそらし、限界まで開けた顎から大咆哮が轟いた。
 衝撃波は火事を建物ごと爆砕、竜の全身で筋肉が脈打って膨れあがる。翼膜の隅々までを血管が赤く禍々しく染めた――その最大級の威嚇をものともせず、ヒューは紅刃の剣先を左右後方にゆるく流し、翼をすぼめて獲物の心臓を狙い翔ける隼のように疾駆した。
 しかし集会所の脇に達した瞬間、半壊した壁の影に見えたものがあった。うずくまった人影、細い手足。女。駆け抜ける間際ヒューは叫ぶ。
「ルイぃ!」
「任せろ、行け!」
 頭上前方から轟竜の牙が振り下ろされた。
 真横、上下鉄槌が宙を噛む凄まじい音。半歩で避けて踏み込みざま左刃を真っ向から竜の肩に喰いこませ、身をひねりながら右刃を振り上げた。左が抜けた創痕に続けて右を突き込む。烈風を引いて竜の腹が頭上を通過、後脚内側がわずかにヒューの背をかすめた。
 双刃は竜の左肩から尾の付け根まで長く一本の裂傷を刻んだ。肉を断つ抵抗に耐えたヒューは勢いのまま前へ転げ、痛撃に《十字傷》は急反転を仕損じる。そして両者は同じように唸りながら大地を蹴りえぐって立ち直り、互いの隙を逃すまいと牙を剥き出して再度激突へ。
 急速に距離を縮める狩人と飛竜。あるいは、二頭の飛竜か。


 その村人を守る形で盾を大地に突き立て、ルイはかがみこんだ。
「怪我はないか?」
 眠鳥素材の盾は前の轟竜戦で砕け散った。装備してきたのは、武器を銃槍に持ち替える以前に使っていたランスの盾だ。より幅が広く大きく、使用者を守る。
 こちらに薄い背を向けたまま座りこんだ若い女は、呼びかけても応答がない。見た目に怪我はなく、強い恐怖で自失しているようだ。ルイはそっと肩に手を触れ、とたんに彼女は悲鳴をあげて身じろぎし、顔をあげた。身体を守るように硬く抱きしめていた腕を解く。ルイは束の間たじろいだ。妊婦だった。
「ガアアアアアアア――!!」
 轟竜の吠え声が迫り、とっさにルイは身体で盾を支えた。激しい音がして大小の土塊がいくつも撃ち当たる。村は狭く竜は巨大だ。ここに居残ればいずれ轟竜が突っ込んでくる。
「さあ、立って。逃げるんだ」
 促したルイに、恐怖に濡れた蒼白の顔がかすかに首を横に振る。
 兜の目庇を上げ、ルイは彼女に微笑んだ。
「大丈夫だ、歩ける。その子を守って母親になれ。安全な場所へ俺が連れていく」
 彼女は大きく見開いた瞳でじっとルイを見つめ、やがてこくりと頷いた。
 村の避難所は温泉川を挟んで訓練所の向かい、民家裏にある岩窟らしかった。川は灌漑用水路で、幅は飛び越えられるほど狭くはなく、深い。橋もない。水路は村の大通りまで続き、そこで地下にもぐるからだ。大通りは戦場と化している。
 ルイは何度か高く指笛を鳴らしたが、瓦礫の中で激闘を繰り広げるヒューに届いた気配はなかった。壊れた壁板を渡して急造の橋を作るか思案し、しかし足元のおぼつかない臨月の妊婦には危険に思える。竜の隙をついて、なんとか駆けてもらうしかない。
 励ましてエイナと名乗った女を立たせたとき、再び戦闘の激音が近づいてきた。
 瓦礫越しにルイは顔を出し、片腕でエイナを壁に押しやると同時に盾を取って頭上に掲げた。鞭のようにしなった飛竜の尾が上を通過、集会所前面の屋根をごっそりなぎ払う。後脚のあいだ、巨体の向こうにヒューの姿。双剣士は突き出された前肢の軌道を読み、大胆にもその腕を踏み台にして跳んだ。
 天に振り上げた雌雄両剣を竜の顔面に振り抜く。《十字傷》は危うくかわし、剣先がかすめた浅い傷にとどまったが、着地した双剣士が間髪いれずに雷光の突きを繰り出すと、噛みつきかけた顎をのけぞらせ低く呻き、全身で後方に跳躍した。
 明らかに飛竜は双剣の切っ先を怖れた。勢いが過ぎて崩れた雑貨屋を飛び越し、下半身を崖から滑り落として慌てている。片頬から流血したヒューは荒く息を吐き、竜に視線を定めたまま「走れ」と怒鳴った。エイナの手をひき、ルイは避難所を目指す。
 川を越えたが、半壊した民家の瓦礫で道は塞がっていた。板をどけ、柱をくぐり、ガンランスの砲撃で壁を打ち壊す。ようやく岩崖に近付くと声高な口論が聞こえてきた。頭上に鋼の反射が輝く。ルイが跳び退るやいなや、目前の木材が一刀両断された。
 のぞいたのは髭のある驚いた顔、壮年のハンター。彼を押しのけて前へ出ようとした若い男を見て、エイナが名を呼んで駆け寄る。夫のようだった。
「良かった、エイナ、無事だったとは! 運の強い娘だ。君が助けてくれたのか!」
 鋼の大剣をふるったそのハンターに、ルイは頷いた。
「他にもまだ顔の見えない村人がいる。探しに行かなければ」
「ハンターも何人かやられてるのを見た。なんとか助けてやってくれ。でも、あんた足を引きずってるようだが……そうか、じゃあ、あなたがザクセンか」
「私を知っているのか。見ない顔だ」
「ヒューから話は聞いてる。俺はあいつの援護に行かないと」
「ヒュー? ヒューが帰っているのか?」
 ザクセンは、どこか呆然と呟いた。
 すぐにそれは大きな声で繰り返され、さざなみのように避難所の奥まで伝わっていく。絶望の中に一点希望の灯を見つけた顔で、彼はルイの背負うガンランスをまじまじと見た。
「では、ヒューと組んでくれた銃槍師とは君か! 我々の、村人の多くは無事だ。怪我人とこの場は私と村長とで守る。君は早く援護に行ってやってくれ」
 応えて踵を返しかけたルイの肘を、不意にザクセンが掴む。防具が軋むほど強い力だった。
「ルイ。――頼む」
 すべての意味を込めた言葉を受け取り、ルイは頷く。
 あの気楽な顔でヒューが双剣に負っていたものを初めて感じた。重かった。だがそれは力強くルイの背を押した。
 鍛えた左腕が音立てて銃槍を組み立てる。身体に沁みついた狂いのない動作で新たな弾を装填、こびりついた煤をぬぐい、手に馴染んだ柄を握り締めた。
 人と竜の咆哮が続く死闘へと、ルイは駆けた。

 * * *

 片手で鷲掴みしたリフトケーブルの下方を剣で断ち、ヒューは宙に身を踊らせた。
 支柱を中心に半円軌道を描き、速度に乗ってケーブルを放す。半秒前にいた空間を轟竜が放った岩弾が高速通過、ヒューが再び崖に取りつく頃はるか下の農場へ落ちていった。
 追いかけて突進してきたティガレックスが敵を見失い、崖下をのぞきこむ。回りこみ、背後からヒューはためらわず尾に斬撃を見舞った。
 わめいて竜が尾を跳ね上げる。血を噴きだした創傷がそれで更に深い裂傷になる。
 だが後脚の蹴りが飛んできて、ヒューは双剣を手にしたまま軽業師のように真後ろへトンボを切った。着地と同時に猛ダッシュ、断崖を背に窮屈げに向き直った轟竜が眼にしたのは双刃の閃きだ。下顎から鼻孔を回転切りに斬り割られ、しかし今度は退かなかった。
 喉奥から重低の唸りを吐いて奈落の大口を開く。首をねじって双剣士の胴を狙い、瞬時に反応した刃に阻まれたが怒りまかせに頭突きを浴びせた。ハンターは自宅の納屋に背中から突っ込む。ばらばら落ちかかってくる板材を蹴り跳ね起き、体当たりで壁を破って外へ逃れた。間一髪、納屋は竜の暴走突進に粉砕。振り返らずヒューは突っ走り、斜め前方に小さな溝を見つけるや筋と臓腑をねじ切る思いをして飛びこんだ。丸めた身体の上を飛竜の蛇腹がうねりながら通りすぎる。
 手足をばたつかせ、ヒューは転がり起きた。竜の背を見送りつつ半壊した民家の陰に身を寄せる。一旦暴走を始めると轟竜はしばらく狂う。見境なく村を蹂躙する《十字傷》の姿はヒューの怒りを万倍にも掻きたてたが、肺が燃えあがっていた。
 道具袋ポーチをまさぐり、回復薬や栄養剤を一気に呷った。野生の竜を強大たらしめている自然界の恩恵は人間にも平等だ。色々な植物や虫のエキスを混ぜた薬効が手足から疲労をぬぐい去り、裂けた左頬の傷には揉んだ薬草を押し当てた。縫合が要る深さだが、これで血は止まるだろう。興奮で痛みは感じない。
 冷静になれと、どこかで理性が呼んでいた。
 このままぶつかり続けて、あの《十字傷》を狩れるのか。やつを村から追い出すことが最優先ではないのか。だが、とにかく身一つで帰路を急いだせいで手元の狩猟道具は貧弱だ。どうすれば村の外へ竜を誘導し、二度と戻らせないようにできる?
 無事だったガンナーがどこかに潜んでいるらしく、ボウガンの狙撃音がした。轟竜の気を引いてヒューが気息を整える時間稼ぎをしてくれている。
 ――できないなら、狩るしかねえ。
 あごを滴った血と薬剤の入り混じる雫をぬぐい、ヒューは物陰から暴れる竜の様子をうかがった。正確には、その尾の付け根を。
 砂漠の戦いで刻んだ《十字傷》の尾の傷が治りきっていなかった。
 ルイが突いていた左後脚も同じだ。でたらめな治癒力を誇る飛竜の傷がいまだ腐臭を放ち、赤黒く膿んでいる理由はひとつしかない。《十字傷》は体力を回復しきっていないのだ。
 ――やってやる。
 きっと勝機はある。武器を掴み、ヒューは再び陽の下に全身をさらす。
「思い知らせてやる……」 あの傲岸な暴君に。
 この世界のすべての命がお前に喰われるために在るのではないのだと。言葉が通じないというならば二振りの剣と咆哮で!
「《十字傷》――!」
 通りの終端、大マカライト岩に爪をかけ、轟竜は半分残った集会所に襲いかかろうとしていた。狙撃手が屋根にいるのだ。だがヒューが大声で呼ぶと迷いなく矛先を変えてきた。鎮まりかけた怒りの赤を、また巨躯に宿して。
 通りの中央に敢然と立ち、双剣士は轟竜を迎え撃つ。
 ――ルイが戻れば、もう少し楽に立ち回れる。それまで体力温存だ……。
 避難所のほうへちらりと視線を走らせたヒューは、しかしそこで心臓を氷の指で掴まれたような予期せぬ衝撃を喰らった。
「ガアアアアアアア!!」 それでも身体は反応する。
 大跳躍で突っ込んできた竜、刈るように薙ぎ払われた右翼を拳ひとつの差でかわし、潜りこんだ下から垂直に剣を突きあげて皮膜を裂いた。真上から叩き潰す翼の打撃に耐え、ガンナーの警告で急いで下から逃れ出る。《十字傷》は身体をたわめ、回転の予備動作。肩と背をしたたかに打たれて痺れていたが、ボウガンの援護射撃に《十字傷》が集中を乱した瞬間、ヒューは攻撃範囲から逃れるのではなく、むしろ双剣を構えて突っ込んだ。
 さっき視界の隅に刺さり、時を止めて脳裏に焼きついた光景。それは民家の板塀の下敷きになった血に汚れた毛玉だった。
 激情に駆られて踏み込んだ。膿んだ後脚の傷に疾風の両剣を突き入れる。
「ギアアアアア――!!」
 竜の大絶叫など聞かず容赦なく双刃を左右に斬り開く。右刃で斬り下げ、逃げた脚を追って踏みこみながら返しで斬り上げ、竜巻のごとく身をひねって右脇腹に寄せていた左刃を横薙ぎに叩きこむ。硬質な手応えに赤黒い剣火が散った。更に逆回転の連撃が空ぶったのは、骨に達した猛攻がついに《十字傷》を横倒しに崩したからだ。
 退かず、起き上がる隙を許さず徹底的に斬撃を噛ませた。後脚を潰す気だった。
 激痛と怒りに錯乱した竜が大地を掻きむしってもがきまくり、傷口から噴いた血を浴びてやっとヒューは三歩さがった。途端、無茶苦茶にのたうっていた尾に張り飛ばされる。転がった先で顔面をぬぐい、竜血を吐き捨てて戦闘態勢に戻ったが轟竜も立ち上がりかけていた。
 考えないようにしていたのだ、自分の代わりに村を守っていたはずのオモチとガスがどこに行ったのか。臆病だが、いつも土壇場で根性を見せる白毛の相棒――今度ばかりは、大人しく避難していろよと願っていたのに!
 フラヒヤの山々に激昂した二者の咆哮が轟き、こだまする。
 轟竜の躍動。前のめりに跳んできた竜は突然鋭い狡猾さを見せ、ヒューの予想よりずっと早く前脚を着いた。鉤爪を地面に突き入れる。後脚を天、頭を地にして巨体がヒューの真上で大回転。脚を痛めつけられていなければ、次の一撃で竜はハンターを喰い殺せただろう。着地の振動で動きが鈍ったわずかな隙に、ヒューはかろうじて残忍な大顎から逃げ、しかし気付くと尾の真横だった。
 狙いすました太い尾が顔面に迫る。
 ――耐えろ、《双焔》!!
 双刃をひとつにして掴む。壮絶な衝撃が来た。
 具足のスパイクが大地との摩擦に苦しい悲鳴をあげ、身体が浮きかける。全身で剣を支えた一瞬、ヒューは耳元でちりちりいう奇妙な音と焦げくさい臭いを嗅いだ。
 稲妻が弾けるような爆音がした。
 いきなり目の前が開けた。視界に飛びこんできた、青空に屹立したフラヒヤの白き霊峰。のしかかっていた巨大な負荷が消失し、竜の悲鳴が背後に引く。ヒューの眼は、己の紅い双剣からほとばしった黒い稲妻の名残が細く消えるのを見ていた。
 ――《双焔》の属性能力だ……!
 それは長く父の武器庫で眠る間に古び、失われたと思っていた龍殺しの力だった。かつて一度だけ発現したことはあったものの、今この時に再び目醒めてくれたのか。
 ほんのわずか、ヒューは唖然とし、《十字傷》はその油断を恐るべき執念で衝いた。
 凶器の尾、爆発的な瞬発力を生む筋肉の塊を根元近くから失ったにも関わらず、あるいは重量から解放されたがゆえの速度でヒューの上に影を落とす。爪は正確に双剣士の首を狙い、ヒューは命と引き換えに片腕の犠牲を覚悟した。
 しかし、襲ってきたのは体当たりの衝撃だった。
 突き飛ばされたヒューの代わりに大爪を盾が弾き返し、無防備に広がった竜の掌を下から槍穂が貫いている。黒鉄の銃身が震え、息もつかせず三連続の砲撃。大穴のあいた掌から、湾曲した爪がまるで悪魔の装飾品のようにぼとぼと落下した。《十字傷》は失った前脚で着地しそこない転倒する。
「――これで少し、お前に借りを返せたか」
 そう言って、肩越しにちょっと振り返ると、ルイは口の端だけでわずかに笑んだ。


「ヒュー、どのくらい動ける」
「これは俺の血じゃねえよ」
 血みどろに見えたヒューが機敏に立ち上がる気配を感じ、前を向いたままルイは安堵した。視線は竜から決して外せない。しかし《十字傷》は左鉤爪破壊の痛手から立ち直ると、一息に大きく後退した。慌てたような仕草で。
 尾のない影響は激しいらしい。跳躍の加減を誤って熾火のくすぶる火事跡に尻から突っ込み、バランスを崩してへたばっている。炎の高熱を問題にしていないのは恐ろしいが、ルイはなかば信じられない気分で《十字傷》の有様を見た。
 双剣が両断した尾は二人の傍らでまだ動き、悶えている。後脚の一本も引きずっている。自分のいなかった短時間の激闘を思ったが、いまだ《十字傷》の炯眼はこちらを凝視し、切断された尾からの出血はすでに止まりかけていた。傷口の血流すら自己制御する、飛竜という化け物だった。
「エイナは無事なんだろうな」
 並んだヒューがかすれ声で問い、ルイは答えた。
「怪我ひとつない。旦那のほうも無事だ。怪我人の救助をお前の師匠に頼んできた」
「ザクセンに! そうか。村長は?」
「避難所にいる。ほとんどの村人は無事だそうだ」
 頷くと、ヒューはそれ以上聞かなかった。道具がないとだけ言った。
「罠も閃光玉も家ん中で潰れてる。でも俺は絶対に退けねえ。――ルイ」
「俺はお前のことを頼まれてきたよ。この村と、《十字傷》もな」
 荒れた凄惨さを帯びていたヒューの横顔が、ふと和らいだ。
 剣を地に突き立て、かがんで一握りの土を掴む。手を擦り合わせて滑り止めにし、また双剣を引き抜くと素振りして風を裂いた。この男特有の峻烈な闘気がよみがえる。
 遠くでヒューの動きを挑発と受け取った竜が身を屈め、低く唸りだした。ルイは言った。
「行こう」
 二人の靴底が地を蹴った。
 真っ直ぐに走る。轟竜の正面へ。俊足のヒューが身体ひとつ先に抜け、鎌首をもたげた《十字傷》の大口が迎えて飛び出してくる。だが双剣士は三歩手前で横っ跳びに進路を変え、竜の鼻は真後ろに続いた銃槍師の盾に激突した。反動で引いた盾の下から鋭利な煌めきが突き上がる。槍穂は閉じた牙の間にねじ込まれ、銃口が烈火を噴いた。
「ガアッ――」 あんぐりと開いた口蓋から肉の焼ける異臭。
 残った右爪を破壊すべく、ヒューが双剣を閃かせる。ルイはステップを踏んで竜の正面から逃れ、真横から首に刃を突き入れた。深く打ち込んだ二撃目の槍を引き抜きざま身体を開き、大きく腕を振り回して勢いを得る。伸びあがるほど頭上に高く掲げるや、上乗せした遠心力ごと重い銃槍を首に叩きつけた。声もなく竜は地にひれ伏す。
 そのまま竜撃砲のトリガーを引きかけたが、轟竜は野獣の本能で危険を嗅ぎ取ったらしい。血泡を噴きながら猛烈に両翼を羽ばたかせる。盾を構えていたルイは防御姿勢のまま遠く追いやられ、吹っ飛んだのはヒューだ。乱気流をまともに喰らい、通りの反対まで転がった。それを逃す《十字傷》ではなかった。
 身体を引きずりながら双剣士のあとを追って頭を振り上げる。叩き潰す気か、間にあわない――駆けつけるルイの胃が縮み、しかし竜は天を仰ぐ途中で急に首をすくめると、攻撃をぎこちなく噛みつきに切り替えたのだ。
 首への連撃が生きたらしい。ヒューは倒れたまま大地を転がって牙をかわし、その間にルイが追いついている。勢いのまま槍を突き入れた。
 トリガーを引く。砲撃。穂先が埋まった左後脚の血肉が弾けとぶ。次の瞬間、竜の逆襲は、ルイにはほとんど超自然的な速度に思えた。
 粉砕骨折の痛みが為した技だったのか。喉から苦悶の呻きを絞った轟竜の首が真後ろにぐいとねじ曲がり、槍を引き抜く間もなくガンランスは牙に捕えられていた。ルイは武器ごと凄まじい力で宙に持ち上げられ、耳元で風がブンと唸って投げ飛ばされる。家屋か何かの壁に背中から叩きつけられ、呼吸が止まり、だが暗転した視界の回復を待たず必死に盾を引き寄せたのが命を救った。大質量の打撃がきた。
 《十字傷》は右腕でルイを押し潰そうとしていた。身体をくの字に曲げ、両腕両足すべて使って盾を支え、対抗する。奥歯を噛み砕きそうな力の綱引きの数秒。不意に圧力が消えたのは、竜の腹下に潜りこんだヒューの斬撃が効いたからだ。
 そして盾をどけて戦闘復帰したルイは、衝撃的な光景を見た。
 尾を失い、爪を失い、後脚の片方を完全に不具にしたティガレックスが、哀れっぽい喘ぎをあげながら逃げる後ろ姿をさらしていた。
 これまで絶対神のごとく破壊と殺戮の猛威をふるってきた《十字傷》の――いや、いまや惨めな獲物の背中。捕食者となったハンター二人の血は凶暴に昂ぶった。
「逃がすかァ――!」
 ヒューが吼え、ルイが疾駆する。
 這いずって、《十字傷》はフラヒヤの山裾を臨む斜面へと向かった。もともと飛翔は得意でない轟竜だ。滑空の踏み切りに適した崖を目指したがハンターたちは許さない。左右から二人に喰らいつかれ、眼を血走らせた竜は交互に首を振り威嚇。それでも効果がないことを知ると、防御するように身体を丸めた。回転攻撃の前兆。
 ヒューとルイはさっと退き、だが竜の仕草はフェイントだった。巨躯を伸ばすと、《十字傷》は突然湯気の立つ肉塊を嘔吐したのだ。
 闘い前に貪り喰っていたポポの未消化物だった。胃の中身を丸ごと捨てた轟竜は身軽になり、驚いたハンターたちの虚をついて破れた翼膜を広げる。羽ばたいた。
「くそっ、飛ばれたら手ェ出せねえぞ!」
 風圧に耐えながら、ヒューがどこかにいる狙撃手に撃てと呼びかけている。銃声がしたが、轟竜の身体はふらつきながらもすでに空中だ。ルイは直感のまま行動した。傍らに残っていた背の高い針葉樹に駆け寄ると、根元に砲撃全弾をぶっ放したのだ。
 古木は勢いよく倒れ、まごついていた《十字傷》を絡め落とした。思惑通りだった――墜落した轟竜の鼻先が、ヒューの真正面だったこと以外は。
 ほぼゼロ距離で竜と狩人は見つめあう。瞬間、両者に最大の防衛本能が働いた。攻撃。
 ヒューは退きながら利き腕の右を突き出し、竜は牙を剥きだした。剣は竜の上顎に刺さったが、勢いよく迫る尖った口吻を双剣士は避けられなかった。《十字傷》の鼻先にかじりつく形で、ヒューの身体は宙に浮く。
 轟竜が嫌がって頭を上下に振り、ヒューは手掛かりにしていた右刃を中心にぐるっと回転した。落ちたのは竜の額の上。滑り落ちるまいととっさに出した左刃、それが黒い雷撃を生みながら竜の眼と鼻の間に深く斜めに埋まった。ほとばしる甲高い悲鳴。
「ヒュー、早く降りろ!」
 しかしルイの見ている前で《十字傷》はめちゃくちゃな暴走を開始する。家屋にぶつかり、水路にはまりかけ、大通りの坂を登って村はずれまで突っ走る。その先が、
「うおああっ!?」 何もなかった。
「ヒュー!」
 短い悲鳴を残し、双剣士は宿敵もろとも切り立った崖の上から滑落した。

 * * *

 崖下へ向かうリフトを見つけたが、ケーブルが切断されていて使えなかった。
 切れた綱を手早く支柱に結びつけながら、ルイは下をのぞきこむ。谷川べりに開墾された小さな農場の中央に轟竜が仰向けに伸びている。その胸はふいごのように激しく上下し、まだしぶとく生きていた。ヒューが見当たらない。
「どこだ、ヒュー!」
 太いケーブルをようやく硬く結び、ルイは絶壁を懸垂下降しながら双剣士を探した。
 何度も名を呼ぶが応答がない。まさか《十字傷》の下敷きになったのか。最悪の事態を考えはじめた頃、やっと声が聞こえた。ルイの右手側、崖の中腹にある採掘用岩棚から悪運の強い赤色の兜がのぞく。一度だけ手を振ってきた。
「無事か?」
「ああ。でも剣が、やつに」
 刺さったままだ、と言ってヒューは立ち上がりかけた膝を折る。
「薬はあるか?」
「ある。ルイ、やつを逃がすな!」
「わかってる。狩りきるぞ!」
「すぐに行く」
 言い交わす人声に正気づいたか、下では《十字傷》が身をよじって起き上がっていた。
 嵐のような呼吸だ。半開きの口からは絶え間なしに血の混じる涎が流れている。逃亡を怖れてルイは降下速度を速め、最後の岩棚はケーブルを放して飛び降りた。
 銃槍を構えて慎重に近付く。しかし竜は奇妙なほどじっと動かず、ルイに無防備な横顔をさらしていた。攻撃の間合いまであと三歩。
 ――……もう意識がないんじゃないか?
 いぶかった刹那、ルイの全神経に電流が走った。《十字傷》が激しく首を振った。
 上顎に浅く突き立っていたヒューの片剣がすっぽ抜け、水平に回転しながら飛んでくる。狙ったとは考えにくいが、それはルイの脇を勢いよくすり抜け、気を取られた隙に轟竜はこちらへ鼻先を向けていた。
 眼光に射抜かれ理解する。《十字傷》に、もはや逃げる気はないのだと。
「俺を殺して血路を開く気か……」 しゃがれた咆哮がルイを圧倒した。
 文字どおり砲撃を喰らい焼けた喉で、血の紅玉を弾きながら竜は咆えた。鼓膜の限界を試す音の波動が消え、耳鳴りの止まぬうちに構えた盾へ衝撃がくる。
 予想済みだが、受け身が合わず凄まじい打撃になった。骨が外れそうな痛みに耐え、ルイは後方に吹っ飛ぶ。具足が大地を滑り、重心を落として踏みとどまった。第二撃がくる。
 噛みつきに次ぐ噛みつき。休む間もない連撃で盾を支える右腕が痺れた。竜は更に牙を剥いて噛みつき。きわどくバックステップを踏んだが衝撃を殺しきれなかった。盾が右に流れ、身体の正面が開く。腕ずくで槍先を敵に突きつけ砲撃一発。なんとか体勢を整え、盾を戻した鎧の下の全身が汗にまみれていた。そしてまたも噛みつき。
 執拗さに苛立つ心を制し、第一撃を防いだ直後に銃槍を突き入れた。同じ状況は作らせない。もし万全の状態ならば、《十字傷》は傲慢に銃槍ごとルイを喰らおうとしただろう。しかし瀕死の竜は顎をそらし、左後脚をかばいながら跳躍して距離を取った。
 ――でも、やつはガンスの穂先に脅えたんじゃない。
 びっこを引いた不自然に跳ねる走りで、再びためらいなく轟竜がこちらへの突進に踏み切ったとき。そう気が付くと、ルイは何か場違いな驚嘆に強く胸を打たれた。
 これまで、あの轟竜がどれほど多くの命を貪ってきたか。だが竜とて過酷な世界を生きるため、他の生物を襲ってきたのだ。そして今も生き残るため、《十字傷》は掛け値なしの全力で死地を切り抜けようとしている。その凶暴なまでに純粋な意志、生への激しい執着が、目に見えない恐ろしい思念となって強烈にルイの存在を脅かした。自然と雄叫びで歯向かっていた――俺にも死ぬ気はさらさらない!
 わめきながら轟竜の大口が迫る。トリガーはすでに起動していた。黒鉄の銃身が危険なほどの熱を発し、震え、内部圧が高まるにつれ特有のかすれた駆動音が唸りを増す。銃口に灯る高温の紫青炎。天地を揺るがす爆炎を吐いて竜撃砲が炸裂した。
 だが爆発は少し早すぎた。三本脚で突進速度の落ちた《十字傷》は命拾いし、鼻面を強めに殴られた程度の爆圧を受けた。脚は止めてもすぐ右腕をなぎ払ってくる。
 砲撃反動で後退していたルイも受けた反撃はわずかだった。鉤爪は盾をかすめただけだ。そこに風を巻いて突っ込んできた赤い影がある。伸ばしきった右爪へ紅の一閃。双剣士。
 剣は右の一本のみで、ヒューはバランスをとるため左に剥ぎ取り用ナイフを掴んでいた。竜は高い悲鳴をあげてのけぞり、後退できず尻餅をつく。すかさず二人の攻撃は右爪に向かうが、頭上の風鳴りを聞き肌を粟立てた。あの大咆哮だ。
 ルイは即座に盾を前面へ、背後にヒューが滑り込んでくる。しかし《十字傷》は肺を膨張させたあと、音にできぬまま空気を吐き出した。開けっ放しで喘ぐ上顎の口蓋に、貫き出たヒューの左刃の先が血を滴らせているのが見えた。相当弱っている。二人は容赦なく右爪を潰しにかかる。
 狙われる右を振り上げ、轟竜は地べたに尻をつけたままじりじり後退した。負傷した左腕まで使って牽制する。ようやく後脚で立ち上がり、噛みつきと噛みつき。相手をしているのが銃槍師一人であることに《十字傷》は気付いているのか、いずれにしろ遅い。竜の左フックをかいくぐって背後に回っていたヒューが、巨体を支える右後脚に黒雷の剛剣をふるった。
 前のめりに前肢をつく轟竜。これを待っていた。ガンランスの穂先が鋭利な残像を走らせて竜の右掌に喰いこみ、逃げる腕を追ってルイは大きく踏み込む。砲撃二発。鉤爪はついに半ばから折れ、欠片と砕け散った。もはや《十字傷》の命は風前の灯火だった。
 たとえ今あらゆる奇跡が起きて逃げられたとして、もう回復に足る獲物は狩れはしない。遅かれ早かれ待つのは死だ。それなのに。
 ――なぜ、まだ倒れない!
 畏怖の念すら抱かせる、烈しい《十字傷》の抵抗だった。
 首を振り、牙を咬み鳴らし、唸り、むやみに羽ばたいてまとわりつくハンターたちを近付けまいとする。ルイの疲労は限界に近く、ヒューの足も止まりがちだ。幕引きに値する大威力の竜撃砲はまだ撃てない。内部機構を充分冷却せず撃てば全体が分裂崩壊してしまう。
 そして痺れを切らしたヒューが大胆な斬りこみを試みると同時に、《十字傷》は最後の力を振り絞ったのだった。
「ギアアアアアアア――!」
 断末魔のようだった。傷だらけの身体をもう一度震わせ、鱗を怒りの赤で染めあげる。瞬間的に広げた翼膜にまともにぶち当たったヒューが、大地を跳ね転がって倒れた。
 攻撃か防御か。迷ったルイは何をする前に突進に巻き込まれていた。《十字傷》の巨大な頭に盾を押されて引きずられ、ハッとして背に冷や汗を流した。この先は岩崖だ。
 ――押し潰される!
 全身全霊で抗った。槍先を地面に突っ込み、腕がもげそうになりながら竜の正面から逃れる。右前脚に背や後頭部を殴られてうつぶせに倒れつつ、股下をくぐってなんとか脱出に成功した。後ろで衝突音。振り向き、ルイは目を疑った。《十字傷》はどう見ても岩壁に上半身をめりこませていた。
 どうやら採掘用の坑道に突っ込んだらしいと気付き、そして牙が岩にでも引っ掛かったのか、頭を抜けずにもがいていることも知る。遠くで倒れたヒューが叫んだ。
「ルイ、竜撃砲――! 火薬の保管場所だ!」
 走った。爪を地に突き立てて踏ん張っている右後脚の脇から、ルイは銃槍を坑内へねじ込んだ。竜撃砲はまだ駄目か、そう思った瞬間に冷却用の放熱板が閉じた。トリガーを引く。
 機構が唸る。竜がもがく。「ルイ、撃て!!」ガンランスが咆哮した。
 灼熱の業火と黒煙が、絡みあったずぶとい奔流となってルイの鼻先をかすめ噴出した。
 山々の鳴動する大爆破だった。鼓膜の無事は定かではない。仰向けに吹っ飛ばされた先でルイはなんとか上半身を起こし、粉塵に霞む視界に咳きこんだ。
 飛び火した火焔があちこちで瓦礫を小さく燃やしていたが、爆心に火はなかった。坑道の口は崩落し、倍の大きさになっている。目の前には爆風に押しだされた轟竜の巨躯。上半身の甲殻を黒く焦がし、大小の岩と共にだらりと伸びていた。
 《十字傷》は死んだ。そう思ったのが早計だった。
 耳鳴りの痛む世界の中、細く硝煙をたなびかせながら幽鬼のごとく半身を持ち上げた竜の姿が現実か幻か、ルイには夢に思えた。ただ本能で銃槍を突き上げていた。ティガレックスに残された最後の凶器が、がぶりとガンランスに喰らいつく。
 のしかかる現実の重さがルイを目覚めさせた。なんという生命力だ。すでに白眼を剥きながら、《十字傷》の牙は銃槍を持つ左腕にずるずる迫り落ちてくる。鼻面は半分ひしゃげ、ザクロのように潰れていた。槍先は喉を突いているはずだ。かかる重量は意図的に加える力か、それとも竜自身支えきれない頭部の重さかわからない。弾倉は空だった。雨となって降りしきる血と唾液を浴びながら、ルイは息を吐き、止め、盾を捨てた両腕の渾身の力で銃槍を押し上げた。
 と、負荷が軽くなった。ほんの少し轟竜が頭を引いた気がした。そこへ銀の閃きが駆けこんできた。
 真紅の刀身が黒雷を絡みつかせて竜の胸へ吸いこまれる。柄まで埋まり、再び抜いた。傷口から熱い鮮血が滝のように流れ落ちる。ヒューとルイは、ほぼ同時に巨体の下から逃れ出ていた。
 地響きを立て、轟竜が倒れる。最期の痙攣が収まると、もう何も動くものはなかった。
 次第に鼓動を弱める心臓から溢れ続ける血が、大地に沁み込みゆくかすかな音だけが聞こえる。周囲は静寂に包まれていた。
 二人のハンターは、しばらく獣のように荒い呼吸を繰り返した。


 終わった。《十字傷》に関する、何もかもが。
 そんな感慨もなくヒューは顔面の血をぬぐい、右刃を地に突き置いて歩き出した。
 もはや命なき物体と化したティガレックスの小山のような死体の逆側から、ルイが声をかけてくる。歩みを止めず少しだけ振り向き、ヒューは短く返答した。
「ヒュー。双剣は」
「折れた」
 ケーブルを頼りに崖を登っていくと、援護射撃をしてくれたヘヴィガンナーが上で待っていた。手を借りて最後の段差を登りきる。ねぎらいの後、彼女は何か賛嘆の言葉を呟きながら下の屍を見下ろしていたが、ヒューの耳には届いていなかった。そこにはただ、破壊され尽くした村の惨状が広がっている。
 足を速め、真っ先に駆け寄った。
 半壊した家屋。崩れぬよう瓦礫をどかし、板塀の破片を丁寧によけていく。
 とうとう下に現れたものを、ヒューは声もなく見つめた。力なく倒れた一匹のアイルーだ。片腕を不気味な方向に折り曲げて、フラヒヤの新雪のようにいつも真っ白だった毛は、今は血の赤に彩られ細い身体に張り付いている……。
「オモチ」
 両膝をつき、こらえ切れずにヒューは歯を食いしばって俯いた。
 せめて不自然な腕の形を直してやろうと、乱れた毛に手を触れる。みるみるうちに希望が湧くのを感じた。小さな獣人の身体は温かだった。
「おい……、おい、オモチ! しっかりしろ。俺だ、わかるか?」
 大慌てで、ヒューは彼のオトモをゆさぶってみる。身体や防具をよく確かめても、腕以外に怪我らしきものは見当たらない。血は、他の誰かのものだったのだ。
 白ネコの金の瞳が、うっすらと開いていた。
「だんニャさん」
「起きたか、このネコ! ったく、びびらせやがって、心臓止まるかと思ったんだぜ!」
「旦那さん、ティガレックスが……」
「大丈夫だ、もう終わったんだ。俺たちが息の音止めてやったよ」
「す、すごいニャ……、さすが旦那さんだニャ。絶対来てくれるって、思ってたニャー」
「遅くなって悪かった」
「オイラ、ちょっと、腕が痛いニャ……」
「ああ、折れてるみたいだな。待ってろ、今医者のところに連れてってやる」
「ガスは、どこ行ったニャ? さっきまで、一緒に戦ってたんニャけど……」
 答えず、ヒューがそっとオモチを抱き上げたとき、避難所に隠れていた人々が一人二人と姿を見せはじめた。ヒューと、やってきたルイを見つけて戦いの終結を知り、ある者は報告に戻り、ある者はただ虚脱して変わり果てた周辺を見渡している。
 ザクセンが歩み寄ってきた。
「ヒュー。来てくれたか……」
 オモチを村人の一人に託し、避難所に運ばれるのを見送ってからヒューは聞いた。
「ガスは?」
「心配するな。しばらくは動けないだろうが、命は助かった」
「……キップの親爺が死んだ。クレアさんも。それに、ワイリーが」
「彼は勇敢に戦ってくれたよ。おかげで何人も助かったが、相手が悪すぎた。……ああ、だが信じがたいよ、ヒュー。まさかあの竜を狩るとは。しかし、その頬は縫ったほうがいい傷だな。腕も見せてみろ。今、医者を」
「何人やられた」
「……わかっているだけで六人だ。だが飛竜に、あのティガレックスに襲われたにしては、私が恐れていたよりはずっと少ない。お前、とにかくまず医者に」
「俺のせいだ……」
 呆然と呟いた青年を、ザクセンは見つめた。
 ヒューの視線は、ポッケ村――かつてポッケ村だった、虚ろな空間をさまよった。いつも退屈なほど穏やかで、慎ましく優しい暮らしが営まれていた空間を。あまりにも見通しがよくなった土地は意外に思えるほど狭く、しかしこの場所に、雪山の人々は時をかけて深く温かな生活を織りあげていた。今や酷く痛めつけられ、見る影もなく寒々しい。
 そして村と同じくらい満身創痍である双剣士は、自身血にまみれていることに気付く様子もなく突っ立っている。ザクセンはヒューの肩を掴み、強く否定した。
「それは違う、ヒュー」
「セクメーアでしくじった。俺が馬鹿だったんだ。調子に乗って、狩れる気でいた。あの《十字傷》を下手に刺激したのは俺だ。もっと自分の力不足をわかって、確実な手を待っていれば、きっと誰も死なずに済んだ」
「そんなことはない。お前は――」
「わかってたのに。あいつが村を見つけることは。でも、いつもはもっと遅い時期に来るからって油断したんだ。飛竜に絶対なんかないのに」
「ヒュー、聞け」
「俺が間に合わなかったから。俺が村にいればよかったんだ! 俺が……!」
 すまねえと繰り返しながら泣くヒューを、ザクセンは硬く抱きしめた。ようやく避難所の外へ出てきた村人たちも、無残に壊れた村の中で、肩を寄せ合ってすすり泣いた。
「間に合ったんだ、ヒュー。お前は間に合った。お前が来てくれたから、村は喰い尽くされずに済んだんじゃないか。お前がみんなを救ったんだ!」
 人々の頭上では、フラヒヤの空だけが変わらず青く、静かに澄みわたっていた。
 ルイはヒューにかける言葉を持たないまま、黙ってそこに立ち尽くしていた。


(「終章 命継ぐ者」に続く)
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コメント

あっ! 兄貴に怒られる!

真っ先にそんな事が脳裏に浮かびましたw

ブログでの連載がテレビの連続ドラマを見ているようで。
いつの間にやら第十章。表題通りに十字に刻まれたハントの回でした。
実際に村や町で竜が暴れたら今回のような惨状になることは必須。
疲弊し、血に飢えた竜が、普段は足を踏み入れない人のテリトリーにまで立ち入って獲物を探すにはワケがある。それだけ追い詰められた“十字傷”ティガレックスと、そこまで追い詰めた“ハンター”ヒュー・パーシヴァル。両者の邂逅は必然で、そこにある違いはただソロかパーティーの違いでしかなかった。

バザールのテントから顔を出したルイの姿を思い出す。
ヒューの相棒は彼でなくては務まらず、またガンスでなければならなかった。
それほどまでのコンビプレイ。
ポッケ村が再興に向けて歩むとき、熱砂の銃槍師は何を選択をし、どこへ向かうのだろう。

ラスト十一章。
楽しみに待ってます^^
(一次創作という名のオリジナルも待ってますw)
  • 2013-04-20│21:28 |
  • ロッソ・チネリ URL│
  • [edit]
最近、ロッソさんのHNでこの場所を引き当ててくる方が複数おられまして。
どなたかお探しでございますよ……w

ということで十章終了でした、コメントありがとうございます^^
双剣とガンスの組合せ、どう狩猟を進めろと……?と悩んだので
(言いつつ勢いで書いたが)コンビが上手く表現できたようでよかったです。

ヒューと轟竜のほうは、やっと決着がつきました。
事前知識もなくP2Gから狩り始めた自分にとっては、やはり轟竜最凶。
いつか村襲撃ムービーが入るのでは、とイヤ~な予感を抱いていたので、
ふつ~に緊急クエが出てきた時は、肩透かしのようなホッとしたようなw

現実では人や家畜を襲う野生動物は絶滅する勢いで殺されたりするので
今では人間を避ける性格のものが生き残っている感じですが
人と竜がガチでやりあうMH世界の、あの強大な飛竜どもの場合
そんな訓練がされているようには思えぬわけで。
健啖かつ気性の荒い竜なら人の村も襲うだろう、と。

しかし、ロッソさんにまとめて頂くと話が200%カッコよくなってドキドキいたしますw
終章は題をMH曲から貰って『命継ぐ者』。
だらだらと執筆していたので、長い間ルイを苦しめたなという気がしてます。
ここまで来たら、早く終わらせてやらんとな……。

そしてオリジ小説は、MH話のノリを引っ張るSFの予定で構想を練り練りw
こういう設定段階が一番楽しかったりしませんか;
  • 2013-04-23│06:14 |
  • 銀貨 URL│
  • [edit]
あ。
この話のあと兄貴と弟が再開した時どんなやりとりがあるのかは、自分も気になるですw
何を言って何を言われるのかなぁ。
  • 2013-04-23│06:24 |
  • 銀貨 URL│
  • [edit]
そんな変わった方(失礼)が居られるとは・・・。
いったいどちらさんでござんしょうねぇ。
当方、ヒキコモリ気味にネットを介して繋がっているだけなので捜索願でも出たか?w

んまあ、呼び水的にブログの探訪者が増えるのならそれもまた良し。
ディプトリー好きの銀貨さんが描き出すSF楽しみですの^^
海外の作家さんにSFとファンタジー双方が得意な方が多いのは、結局のところどちらも“ファンタジー”であって空想を科学するか、幻想を物語るかの違いでしかないんだなぁと最近思います。
SFにおけるファーストコンタクト物とか異文明探索などはそのままファンタジーですもんね。

SFといえば。
澁澤や海外文学の合間に一冊ほど挟み読み。
小川一水『青い星まで飛んでいけ』
様々な形での恋愛をテーマにしたような短編集でした。
巻末に収録された表題作はラジェンドラの一人語りのようで思わず、ふむんとw
寿命を持つ人間が、知性を持った機械集合体に何を託したのか。
その長い長い旅路です。
  • 2013-04-23│22:09 |
  • ロッソ・チネリ URL│
  • [edit]
やはり Hunterlogue さんで最近色々動きがありましたし、
避難所に新作の一部的な何かがUPされていたりすると……
国崩 って、もしかして、あの弓と何か関係あるのだろうか……
とか色々考えると検索したくなる気持ちもわっかりますとも!

し、しかし、その流れでティプトリの名を出されると、一次小説のハードルの高さが
オリンポス山なみに跳ねあがって酸素が足りません(注:火星大気
結局は今書いてる文と同じもの(orそれ以下)しか書けないかと。でも楽しみですw
ロッソさんは今のところ二次専門でしょうか……。
作品からは、歴史なんかの背景設定がリアルで説得力凄いので、
歴史物とか得意そうな雰囲気がバシバシ伝わってまいります。

SFというジャンルは略称にしても、“science fiction”とか
“science fantasy”とか“すこし・不思議”とか色々あるようで。
私もファンタジーには違いないと思いますね~。
でもやっぱscienceときたら、sense of wonderの心は欲しいなぁと思ったりもして。

で、小川一水、来たかこれ……。気になりつつ読んでない。
『青い星~』も面白そうですが、ちょいとggったら『老ヴォールの惑星』で
全球海洋惑星が舞台だとかで、ぜひ参考に読んでみたくなっております。
一次小説の舞台を、それにしようかと思っているところだったので。

そしてラジェンドラですと……ふ、フムン(鼻の穴広げつつ
実は最近、東大のサイトで面白いSFな話を読んだのですが

http://www.is.s.u-tokyo.ac.jp/isnavi/logic05.html

こんな感じでしょうか。いや、『青い星~』も気になる……
  • 2013-04-24│19:19 |
  • 銀貨 URL│
  • [edit]
基礎研究の分野は、言ってみればまさに中二病なワケでw
おそらくそこだけを取り出してみれば、まったく何の役に立つのやらさっぱり。

漠然としたベクトルがあって思考を展開させていく内に「お、何か形になるっぽい?」のでそこで初めて実用的に試行してみる感じなんでしょうか。
もしくは。本人まったく意識もせずに「面白いから」とか言って好き勝手にやっていたら、傍にいた人がその応用に気がつく、とか。

問題はそんな研究者の、見ようによっては道楽的な試行錯誤に銭を出せるかどうか?
なにしろ、物によっては飛躍しすぎていてフツーの人ではついて行けないのだw
そういったものに遭遇した時に初めて「ああ、勉強って大事だな」とか「思考の枝葉って大事だな」とか思います。とはいえ。一歩間違えればキチガイさんとか、あの人変わってるね~レベルの話にもなりかねず。馬鹿と天才は紙一重なんだなと凡人はため息をつくのでした^^;

ついつい銀貨コメが面白くて、追加コメ。
チャットじみてどうかと思うのだが、いやはや。申し訳なし><
  • 2013-04-26│19:07 |
  • ロッソ・チネリ URL│
  • [edit]
じ、実は一瞬だけ基礎研究の研究室にいたことがありまして……
以下、学部出の人間の言葉なので、話半分で!^^;

やはり普通の感覚からいくと、有用か否かが気になるところなんでしょーか。
日本は基礎研究分野にあまり金を出さないこと、基礎科学研究者が、自分の研究内容を外にアピールする・産業と結び付けるのが苦手であることはあちこちでわりと耳にする話でした。

直接的には有用に見えずとも、何十年~の長いスパンでは、基礎研究は生活に役立っている……はずと思います。遺伝学も、昔はメンデルさんが豆育てたりしていただけ(とか言うと殺されかねん発見)ですが、今は山中教授が再生医療分野で頑張っておられますし。
iPS細胞は、長年の遺伝子工学の知見をばりばりに使ってるはずです、たぶん。

で、私個人の感情を吐いてしまうと、面白いから良いじゃん、で終わり……。

米国で研究してる先輩は、学問なぞ中身の有用性はどうでもよくて、奥深く美しく思考するに値する知の体系でありゃいいんだ、というよーな呟きをRTをしていたことがあり(言い切ったよなぁ…)、また、自然科学系の論文では、考察部の終わりにその研究の社会への貢献に言及したりしますが、我が指導教官いわく、
「研究予算をもらうために一応書くけど、実際役立つかどうかわかるわけない」
研究者は論文の結果しか読まんそうで。考察は著者の空想。

食虫植物ウツボカズラは、なぜ雨で消化液が薄まっても生きていけるのか?
だから何だと言われそうな疑問にも、目を輝かせて「いいぞもっとやれ」と言ってしまう、そういう人種である印象は、ありますw 実際変人は多かったな~w
一方、工学出身の友人は、それがどんな技術・産業に繋がるか、という視点で物を見るそうで。やっぱ原理を研究する人間と技術を活かす人間では、興味や感動を持つ場所が違うのか、と思ったり。

内容が親しみあったんで、また長くなっtt
自分もロッソさんの話とか本とか色々聞くの楽しいです、ありがとうございまっす!
なんつうか、短めの文通(公開)みたいですなw 文通……古風な響きだw
  • 2013-04-28│20:37 |
  • 銀貨 URL│
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