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モンスターハンター!3 7章

熱砂の銃槍師 7章です。

完結後、7章全体をまとめた際に(7/23/2013)、
7-2についていたコメントを勝手ながら当記事に移動させて頂きました。
ご了承ください<(_ _)>


モンスターハンター! 熱砂の銃槍師


 7章 絶対強者

 懐かしい声を聞いた気がした。
 そよ風が街路樹を揺らす。やさしい葉擦れの音。古い石畳の道に、やわらかな色の日差し。馬の歩む先が時どき陰る。青空にたなびいて浮かぶ白い雲が、気まぐれに太陽を隠して。
 隊列は胸を張り、肩で風を切って進む。洗練された鋼の鎧と、左手には磨き上げられた槍。下賜された自分の馬も誇らしい。道端でお喋りをしていた人々が彼らを驚いた顔で見上げ、自尊心を心地よくくすぐった。街門が近い。出発の勇壮なファンファーレ。
 一度だけ後ろを振り返り、城を仰ぐ。しかし花びらを撒く見送りの群衆に一人の女を見つけた瞬間、ルイは身体を氷の剣で貫かれたような、つらい痛みを覚えた。
 憂いの深いラヴェンダーの瞳。胸の前で握りしめた不安げな手。ひどい焦燥に駆られて、馬を止めるため手綱を引く。けれど歩みは止まらない。
 叫ぼうとしても声が出ない。ファンファーレと人々の大歓声に遮られて――いや、これは歓声か? ルイは気付く。そうじゃない、これは風の音だ。
 前を向いて更に愕然とした。変わらず堂々と進む隊列。門を抜けた先に慣れ親しんだ故国の静かな森はなく、そこは世の終わりまで続く乾ききった不毛の砂漠。
 熱風が砂を舞い上げる。砂塵に巻かれ、ルイは一人、隊に遅れはじめる。
 ――待ってくれ。
 馬に鞭打つ。だが隊列は遠ざかるばかり。いつしか馬は消え、自分の足で走っていた。まるで重りを架せられたように、その進みはままならない。流砂に足をとられ転ぶ。顔を上げた真正面から吹きつける暴風が喉を焼く。もう仲間の影すら見えない。
 ――待ってくれ。
 その先に行ってはいけない。誰も戻って来られないんだ。あの咆哮が聞こえないのか。
 ひどい砂嵐。下から吹きあがる砂、横殴りの風、天は恐ろしい赤光で蓋されている。
 上も下も、そのうちわからなくなった。焼けつくように熱い砂がルイを埋めようと容赦なく降り積もる。砂は重みを増し、ねっとりと絡みついて、目と口と鼻をふさいだ。
「やめろ……!」
 声をあげた。もはや砂の底に完全に埋まり、息苦しく、手足が重く、熱い闇に押し潰されて一筋の光明も見えはしない。ただ、あの軋んだ咆哮と砂嵐の渦巻く音がいつまでも耳奥でごうごう唸り、ざらついて離れなかった。
 ――誰か。
 助けてくれ。俺を独りにしないでくれ。
 俺は大丈夫なのか、もう自分ではわからない。だから誰か教えてほしい。
 誰か、俺は大丈夫だと言ってくれ――!
「おい、ルイ! 起きろ!」
 名を呼ばれて覚醒した先。
 間近に見えたのは、祖国では見知らぬ銀髪の男。その真剣な青い眼差しだった。


「うなされてた……、俺が?」
「ひどかったぞ。ほら、水。飲めよ」
 キャンプの簡易ベッドに腰掛け、頭を振っているルイにヒューはカップを手渡した。ルイは飲まずに水面をじっと見つめ、ヒューは横を向き、あくびを噛み殺した。
 風もなく星も明るい、良い夜だった。
 岩山の頂きを穿って設けられた、砂沙漠近傍のベースキャンプ。セクメーアの猟場でも比較的設備がしっかりした拠点だ。大きなたき火を熾せるほどの空間と、天幕内にはストーブと据え付けのベッド。枯葉や苔をまとめた程度を寝床と呼ぶのもいとわないハンターたちのキャンプとしては、上等の部類といえた。ただしベッドは男四人がやっと横になれるサイズのものがひとつ。当然、雑魚寝だった。
 隣で寝ている者が呻いていれば、だからすぐに気がつく。とくに狩場にいるヒューの眠りは熟睡のない獣の眠りだ。意識のいくらかは常に周囲を警戒しているから、何度も寝がえりをうつルイに、ヒューは起こされたのだった。
 ――このところ、続くな。
 ルイは昨晩もうなされていたのだ。それは少しの間だったので様子を見て放っておいたが、今夜は見過ごせる感じではなかった。いつ始まったかはわかっている。砂漠の民の護衛任務、セクメーアの沙漠渡りを終えた後から。
「ルイ――」
「すまない」
 思い切って口火を切ったヒューを、ルイが遮った。
「時どき、嫌な夢を見る。それだけだ。またうなされるかもしれないが、放っといてくれて構わない。うるさかったら叩き起こせ」
「ほっとけって、お前な。かなり苦しそうだったぞ。どっか身体の調子が悪いなら、言ってくれないと困るからな。俺たち、明日は《十字傷》とやりあうつもりなんだぜ?」
「わかってる。そのせいで緊張したのかもな。だが大型飛竜狩猟の前は、こんなもんだろう。問題ないよ」
「そうか……?」 
 ヒューは頷いてみたが、とても納得できるような返答ではなかった。
 けれど問い詰めたところで相棒が貝のように口を閉ざすことは、あの砂嵐の後、すでに経験済みだった。隊商の護衛任務。洞窟に逃げ込んで数時間がたち、嵐がおさまった頃。一人取り乱して竜影に向かい、仲間を危険にしかけたことをルイは謝ったが、その理由だけはどうしても言おうとしなかったのだ。ヒューは言葉の少ない砂漠の民に代わってかなり強い口調で詰め寄ったのだが、無駄だった。
 ――言いたくない事情があるらしい。
 そんなことはわかっている。たぶん、嫌なことだ。むかし何かあった……。
 水を飲むルイを置いて天幕から出、ヒューは砂沙漠を見下ろせる拠点の縁まで歩いていった。青白く死んだ砂漠に動くものはない。キャンプのどこかに潜む虫の音だけが、無感動に、一定の調子で響いている。
「…………」 ルイの様子が気になっていた。
 あの時、砂嵐の竜影に向かって何か叫んでいたこと。銃槍のおざなりな扱い。竜との戦い方。悪夢。そしてティガレックス《十字傷》。
「そうだ。あの《十字傷》狩猟が、もう始まってるってのに……」
 ティガレックスの目撃情報が入ったあと、ジャッダハギルドはただちに観測用の気球船を飛ばしていた。乗船職員は砂沙漠南西部でティガレックスを目視確認、望遠鏡でとらえた額の傷から、個体を《十字傷》と同定した。
 《十字傷》への対処について、今年ギルドは特別な措置をとる気配があったが、ヒューはギルドを説得して上位ハンター用の討伐依頼を無理に出してもらっていた。失敗して生還しても、おそらく二度目はないだろう。このキャンプに入り、轟竜狩りの準備を進めて今、二日目の夜だった。
 ――本当は、余計な心配してる場合じゃねえんだ。
 戦いが始まれば、微塵の迷いもなく身体を動かさなければならない。飛竜とは、たとえ退路を確保していても一瞬のミスが生死を分ける相手だ。ましてや凶暴さでは他に並ぶもののない轟竜ティガレックスである。切っ先を限界まで研ぎ澄ました剣のように、狩りに集中する必要があった。
 不安は極力排除したい。でも、とヒューは肩越しに振り返る。ルイは閉じたままだろう。
「……休むか」
 息を吐き、ヒューは頭を空にしようと決めた。
 天幕に戻ると、ルイはすでに横になっていた。呼吸を聞くと眠ってはいないが、こちらに向けた背中が会話を拒んでいる。それでもヒューはもう一度、声をかけた。
「なぁ、ルイ。本当にただの夢だったのか? お前、大丈夫か」
「ああ……、大丈夫だ」


 ――そして、決戦の朝が明ける。
 砂漠の太陽光は殺人的だ。十度以下だった気温は日の出とともに瞬く間に四十度に達し、午後には五十度を超えるだろう。けれどハンターたちには、身体を冷却し体温を一定に保つクーラードリンクという強い味方がある。セクメーアでは希少な氷晶石と、苦虫から調合する乳白色の飲料薬剤。値は高価だが、これを使えば乾燥地帯最大の敵である灼熱の気温を、逆に有利な条件に変えることができる。
 巨体を持つティガレックス。いかに飛竜といえども生物だ。高温環境下ではその活動にも制限がかかり、動きは鈍くなるはず。
 罠の準備は万端整えてある。もしもの時の退路も、しっかり確保した。
 やがて不安になるほど深く晴れわたった空に、気球船がひとつ。反射鏡でキラキラと合図を落としてきた。事前に仕留めておいた草食竜アプケロスの死骸の腐臭が、まんまと標的をおびき寄せたようだ。砂地に穴を掘り、遮光布をかぶって埋伏していたヒューは、ごくりと唾を飲みくだす。意識を冴えさせるクーラードリンクの涼しく苦い後味。
 ――さあ、やるか。
 彼方で蜃気楼が揺れた。
 風を切る音をひきつれ、幻をかき乱して砂漠の大波を滑ってきたのは影だった。一直線に砂の表面に刻まれた風紋を吹き飛ばし、滑空してくる巨躯。着地の衝撃は落下というほうが近い地響き。舞いあがる砂塵。
 獣のような四肢を持っていた。体高は低く、頭と胸を地に擦る姿は原始の野獣そのものに見えた。だが身体は鱗で覆われ、前脚には翼膜が張る。太く長い尾、ばかでかい爪、牙。挑発的な黄と青の派手な縞模様。巨大な頭部に、セクメーア最強を驕る捕食者の眼がぎらつく――額に白く、十字の傷痕。
「……でもな、今日狩られるのはお前のほうだぜ、轟竜ティガレックス《十字傷》!」
 ヒューは勢いよく遮光布をはねのけた。
 数十メートル先の飛竜は瞬時に鎌首をまわし、両眼が敵を捕捉する。喉から漏れた異音は食事を前にした興奮だ。互いを測りあうような一瞬の間もあらばこそ、躊躇も見せずティガレックスは餓えた大顎をがばりと開き、咆哮をあげてヒューを喰らうべく突進した。

 * * *

「ガアアアアアアア――!!」
 真正面からの猛突進は、まさにずらりと牙を並べた大口が視界いっぱい迫ってくるようにしか見えない。押しよせる暴虐の塊にぎりぎりまで向きあい、ヒューは間一髪で右に大ジャンプ、回避した。
 砂を蹴散らし、爪先数センチを竜の左翼がすりぬけていく。受け身をとって前転、振りむきざま投げつけるペイントボール。狙いどおりボールは軽い音をたてて命中し破裂。ショッキングピンクのペーストがティガレックスの腰にへばりついた。
 印付けは成功だ。ペイントの臭いがあれば、たとえ逃げられても十時間は追跡できる。
「尻尾巻いて逃げるようなやつじゃねェけどな!」
 獲物を喰いそこねた竜が急ブレーキで反転をかける。深い砂に足を取られた無様な動きだが、パワーがすべてを凌駕していた。腕の一振りがなぎ上げる砂の量が尋常ではない。風が切り裂かれていた。
 見事な巨体は全長二十メートルに迫るだろう。
 ドンドルマの記録にも、このサイズの目撃例は少ない。身体の大きさは竜が生きてきた年月を示す証拠であり、同時に手強さの指標だ。長きにわたり同種間の、または他種の肉食飛竜との競合に打ち勝ってきた力と経験、生命力は推して知るべし。ジャッダハと違い、上級の上にもうひとつ区分があるドンドルマギルドならば、彼らG級ハンターの仕事へ回されても不思議はない個体だ。
 向き直ったティガレックスは、今度はすぐ突進せず両前脚を踏んばり、翼膜を大きく広げてみせた。ヒューの後ろ、別の場所に埋伏していたルイが駆けよるのを見たのだろう。頭を低くし、発達した太い顎を何度もあけて牙を咬み鳴らす。
 威嚇、という雰囲気ではない、おそらく――食料が倍になったという単純な喜び。
「野郎、ハンターをただの肉としか思ってねえぞ。腹立つな」
 いまだ剣を抜かず竜と対峙したままのヒューの背骨を、冷たい恐怖がゆっくりと這い上ってきていた。
 これまで多くの危険な竜を狩ってきた。けれど今日こそ、あの絶対的捕食者に自分が狩られる番かもしれない。飛翔よりも、大地を走り獲物を裂くことに特化した大鎌型の爪を見たか。生身であれば、ちょっと引っかかるだけで人の腕など軽くねじ切られるだろう。数年前、一瞬にして十六人の人間が喰い殺されたという事件も納得がいく。今眼前にいるのは、それほどの化け物だった。
 だが一方で、その恐怖を冷静に見つめ、身体の内から抑えがたい狩りの興奮を目覚めさせている自分がいることもヒューは意識していた。
 ――やっと、まともに勝負できる。
 フラヒヤ山脈の狩り場で二度、遭遇したことがある。
 一度目は初めてポッケ村を訪れる道中、それと気づかず轟竜の食事場に迷いこみ、相手が何者か知る暇もなく崖から落とされて気絶した。二度目は野草採集の仕事中、オモチと一緒に追い回され、命からがら洞窟に逃げこみ九死に一生を得た。
 ――つまり、逃げ回ってばかりだったんだ。
 そんな自分のことなど、《十字傷》の記憶には毛ほども残っていないだろう。
 ポッケ村の安全のため轟竜討伐は必要だ、ザクセンの足の礼もある――ずっとそう思ってきたが、《十字傷》とついに正対したこの瞬間、もっと単純な感情が気持ちの底に根付いていたことに、ヒューはようやく気付いた。
 震えるような興奮がある。指先まで血は熱く滾り、しかし頭は冷えて明瞭に、視界は広くクリアに。轟竜の様子がよく見える。周囲の砂漠も。立ち昇る陽炎、火花のように輝く黄砂。巨体、爪牙、傲慢な双眸、耳のような頭の突起、鱗の反射のひとつひとつ。
 ――あいつに、俺にも牙があることも見せず、なめられたまま終われるか!
「回避のタイミングは今の感じだ、ルイ。下手に脇腹見せるなよ。生半可な避け方すると、でかいくせに器用に追いかけてくる」
「真正面でなければ俺は盾で防げそうだ。最初の罠は四時の方向」
「うまく引っ掛けてやろうぜ」
 轟竜の後脚が大地をえぐる。
 次の瞬間、竜の身体は宙に踊った。強靭な脚をバネにした大跳躍、放たれた矢となって頭から突っ込んでくる。着地の衝撃は爆発と土砂崩れの同時発生に等しい。向かって右へ回避したヒューの頭上から砂の滝。硬く響く、ルイが大爪を受け流す音。だが罠はヒューの側だ。
 回復した視界、目前に《十字傷》の巨大な左翼。斬りつけたところで翼肢は骨と皮だ、弾かれる。かまわず、下からすくいあげるように斬った。剣は滑りダメージなどほぼ無いが、轟竜の注意はこちらへ向いた。
 竜は強烈な右フックで盾ごとルイを吹っ飛ばした。その勢いでヒューに向き直り、抜かれた双剣などに眼もくれず喰らいつく構えを見せる。どこまでも傲慢なやつ。涎を引いて牙が迫り、ガツリ、ガツリ、火花が散りそうな噛みつき。むしろ懐へ大胆に飛びこんでヒューは避け、ふいに目標を見失った竜の胸下から渾身の力で首すじを斬りあげた。
 硬い。予想以上だ。流血すらなし。だが竜は喉を鳴らし、一息に三十メートルも跳びのいた。手応えは浅かったが宣戦布告にはなったらしい。思わぬ反撃に《十字傷》は両翼を震わせ、初めてじっとヒューを睨む、燃えるような眼で。
 ――そうだ轟竜、俺たちはお前の餌じゃねえ。狩られる側じゃなく、狩る側だ。
「来やがれ、《十字傷》!」
 応えるような咆哮が轟いた。
 二つ名に恥じぬ雷鳴の吠え声。深い砂などものともせず、大地を掴んで押しやるように、たった数歩で距離を縮めてくる。
 ティガレックスは火竜リオレウスのように火を吐くことも、鎧竜グラビモスのように毒ガスを発することもない。それでも他の飛竜同様、その存在を人智を超えた怪物たらしめている特性は陸上での並はずれた運動能力、そして他種の大型飛竜すら衝突を避ける圧倒的獰猛さにある。轟竜の闘い方は、だからとてもシンプルだ。肉弾戦。体重も筋力も次元の違う人間が相手をするには、無策では勝ち目がない。
 息つく間もない回避、防御、回避。二人のハンターは細かい攻撃を繰り出しては、挑発して竜を誘う。簡単に動きを御せるほどティガレックスも愚かではない。しかし幾度目かの突進をやり過ごしたとき、絶妙の位置にルイがいた。
 砲撃を空に一発鳴らす。轟竜と視線をぶつけ、ルイは足を開いて大地を踏みしめた。銃槍の穂先を竜へ向けると、苛立つ《十字傷》が次こそ獲物を喰おうと跳躍する。が、
「グオオオッ――!!」
 破裂音、同時に悲鳴。焦げた臭気が瞬間的に周囲に漂った。
「やったぜ!」 ヒューは思わず拳をあげる。
 竜の着地場所が、まさしく罠の真上だった。雷光虫の電撃とドスゲネポスの麻痺袋による二段構えの特注品だ。感電し、白眼をむいた竜の腹にドスゲネポスの牙が刺さっている。強力な神経毒はすみやかに体内を巡り、ショックから立ち直る間もなく始まる痙攣。竜の口の端に泡があふれる。
 ここぞとばかりにヒューは駆けより、全体重をかけた斬撃を竜の尾へ叩き込んだ。左の後脚にはルイが突きを繰り返す。助走をつけて深々と刺し、えぐり、ダメ押しに砲撃。
 長年の経時変化で、巌のごとく硬質化した鱗の突破は容易ではない。だがハンターたちの武器も強堅なモンスター素材。正確で注意深い、しかし怒涛の連撃の前では飛竜の鎧も徐々に破れ、やがて刃は肉へ達する。会心の一撃は遠心力を上乗せしたヒューの両刃。左右ぴったり同じ軌跡を描き、厚皮を裂いて竜の尾に傷を切り開いた。
 返り血を避け、ヒューは身を沈めた。尾の下から視界に入ったルイ、砲撃で鱗を弾き飛ばしている。砂地には黒い血溜り。
 さらに追撃する間際、竜の尾が稲妻型に跳ねあがりヒューは鋭く舌打ちした。もう麻痺が切れるのか。《十字傷》の身体の大きさに毒の量が足りていない。
 轟竜から素早く離れながら、ヒューは銃槍師へ声をかけた。
「そろそろ動き出すぞ、爆弾に着火だ! ――ルイ、下がれって!」
 ――あいつ、また……!
 嫌な焦りがちらりと胸を走った。怒鳴ったのは、轟竜の腕が上がり始めていたからだ。
 首をねじ曲げギリギリと牙を鳴らし、激しい息遣いがカウントダウンを告げている。にも関わらずルイはまだガンランスを突き出している。二度目の催促でようやく安全圏へ退き、ヒューは急いで導火線に火をつけた。
 広大な砂漠を震わす三連続の巨大な爆発、轟音。
 炸裂した炎と黒煙の中、轟竜が白い首裏をのけぞらせて天を仰ぎ、地に伏した。
 シビレ罠の下に仕込んだ爆弾は、《十字傷》を確実に狩るための周到な準備のひとつだ。一瞬ルイにヒヤリとさせられたものの、第一段はうまく運んだ。
「どうだ!? ……くそ、なんてやつだよ」
 けれど漏れたのは低い唸り。《十字傷》は、やはり恐るべき飛竜だった。
 ショックで地べたに倒れてはいるが、大タルいっぱいに火薬を詰めた爆弾三つを食らってもさほど外傷がない。駆け寄ったヒューが四撃目を加える前に跳び上がり、距離をとった俊敏な挙動からは、内臓へのダメージも大して感じ取れなかった。
「いったいどんな身体してるんだ。……ルイ、次の罠はやつの後ろだ」
「ああ。また俺が回りこむ」
「さっきのは危なかったぜ。深追いはやめろよ」 返答前に轟竜の突進。
 再び、回避に次ぐ回避に入る。合間に細かい攻撃の連続。
 念入りにルイと話し合った作戦だ。重要なのはやつの攻撃を受けないこと。一撃でも食らえば、あの大質量に凄まじい膂力である、重症は必至だった。
 それでも二つ目の落とし罠も首尾よくいった。竜は猛ダッシュのまま頭から突っ込んだので下半身がガラ空きとなり、ヒューは尻尾、ルイは左後脚を徹底的に痛めつけた。起爆後に竜は黒煙と砂を吐き、しばらく眼を回して攻撃の隙を与えたほどだ。
 ――これで、罠は残り二つ。
 そして狩猟開始から何個目かの閃光玉が空で炸裂する。視界を奪われ荒れ狂う轟竜を警戒しつつ、ヒューは肩で息をしながら水分補給をしていた。
 朝からどれほどの時が経っただろう。
 長く走りまわっている気がしたが、一瞬たりとも気の抜けない狩猟では時間は亀よりも遅い。見上げれば太陽は午前の傾斜。けれど凶器の尻尾を切断し、逃げられぬよう後脚一本でも骨を砕くことができれば、あの《十字傷》狩猟成功も現実的に見えてくる。
 ――噂で聞いてたより、攻撃の仕方が単調だ。
 雪山での経験から、轟竜に閃光玉がよく効くのは知っている。ビスケット風の携帯食料を口に押し込み、ヒューは苦労して飲みこんだ。
 ――ずっと敵がいなかったせいで牙が鈍ったか?
 いや、油断は禁物だ。ヒューは次の罠の位置を確認する。ルイがすでにシビレ罠へ向かっている。銃槍師は次でなんとか脚を潰すと告げていった。悔しいが尻尾はまだまだ断てそうにない。筋肉の壁が分厚すぎるのだ。
 閃光の呪縛が解け、きわどい綱渡りの攻防が再開した。
「グオオオオオオオオ!!」
 電撃、悲鳴、痙攣。性懲りもなく罠にかかる、前進しか知らない轟竜。
 ――何人喰い殺してきたのか知らねえが……!
 ヒューは双剣の本領発揮、火を噴くような猛攻をかける。白熱した視界には、ようやく裂けはじめた傷口しか映らない。
 ――てめえの食欲もこれまでだ!
 赤い双刃の一撃一撃を剛剣に変え、振りかぶる。振りおろす。
「斬れろ――!」
 ふいに、これまでにない手応えがあった。
 筋繊維の断裂音、同時に派手に噴き出す静脈血。反射的にヒューは後ろへ跳び退り、巨体を見上げ――ぬか喜びを悟った。
 尾の切断にはほど遠い。どころか流血は一瞬で止まっている。
 毒で麻痺し、しなだれていた尾が、それ自体生命を持つようにうねった。黄地に青の縞模様がよりいっそう鮮やかさを増す。鱗と甲殻の隙間に拡張した血管の赤い輝き。
 何を判断するより先に、ヒューは叫んでいた。
「ルイ離れろ、今すぐ起爆だ! 麻痺が解ける!」
 轟竜の気配が急速に熱を孕み、爆発手前の緊張感が周囲の大気に張り詰めていく。
 ヒューの声は届いたはず、竜の変化にも気づいているはず。麻痺が、これまでよりかなり早く効果を薄れさせていることも。しかしルイは銃槍を止めようとしなかった。
 ヒューの脳裏に、いつかの光景がよみがえる。顔色も変えず、突き進んでくるドスガレオスに轢かれる直前まで無防備に命をさらしていた男の姿。
 ――深追いするなって言ったじゃねえか!
 銃槍を構える動作が、ヒューの目には奇妙なほどゆっくり映った。口笛に似て甲高い竜撃砲の前兆音。大威力の代償として作動可能加圧に時間を要し、しかも撃つまでその場を動けないのが竜撃砲だ。一秒でも読み違えば竜の攻撃は不可避。けれどルイの双眸は、脈動しはじめた敵の後脚しか見ていない――。
「ガアアアアアアアアア!!」
 暴君は雄叫びを上げ、力任せに麻痺をねじ伏せた。
 ひと呼吸先の未来にルイは殺られる! 援護すべく、一度は離れた轟竜へとヒューは駆け、戻る刹那ガンランスの青炎が閃いていた。
 天を突き抜ける轟音、連鎖する大爆破。――数拍遅れて砂の雨。
 爆風にぶん殴られ、ヒューは転がって跳ね起きる。めまいと、胃が逆流して嘔吐した。
 ――あの野郎、竜撃砲で起爆しやがった!
 それも一言の警告も無しだ。後遺症の耳鳴りが痛む。ヒューはふらつきながら煙を振りきり、斑の浮かぶ視界に目をしばたかせた。ルイは、轟竜はどうなったのか? ようやく見えてきたものは、血を凍らせるに充分な光景。
 薄れゆく黒煙の中から浮きあがる、微動だにしない巨影。鎌首を高く持ちあげ前脚を踏んばり、翼膜を威嚇的に広げていた。巨体全体に輝くほど赤く流れる血脈は熱を発し、その憤怒を何より雄弁に物語る。
 ルイは盾を構え、爆発の衝撃に立ったまま耐え抜いていた。《十字傷》の正面からやや左に外れた、間合いのごく近くで。
 風鳴りと、竜の背側からもわかる胸郭の異常膨張。ヒューが見たのはそれだけだ。
 次の瞬間、巨大な破裂音をたてて轟竜の前面空間が爆散した。銃槍師の身体は木端のごとく、はるか後方に吹き飛んでいた。

 * * *

 何が起きたかわからなかった。見たことも信じられない。
 だが轟竜が、吹っ飛んだルイを追って喰い殺しにいくことだけはわかっていた。ヒューは猛然と竜を追い、追いすがり、逆手に持った片剣を強引に脚の傷口へねじ込んだ。
 絶叫、同時に尾が振られる。自分でもほとんど神業と思える反応でヒューは避けた。
「ルイ! 目ェ覚ませ、ルイ!」
 生きているはずだ。そう信じながら視線は竜から外せない。
 腰のポーチに閃光玉を探り、焦って掴みそこねた。思考の空転。自覚できるほどには冷静なのか。もっと落ちつけ、竜の動きをよく見ていろ、隙は絶対にあるはず。
 倒れて動かないルイを放置し、轟竜は標的をヒューに絞る。脚に剣を刺したままの急反転は、まるで痛みなど感じていない動き。
 ずぶとい円錐の並ぶギロチンが頭上から殺到してきた。喉奥に見えるのは死。横跳びに回避したが、竜が鼻面を砂に突っ込む勢いが度を越している。そして電光の速さで首を持ち上げると、獲物の位置をろくに確かめもせず再び砂地に噛みついたのだ。
 殺しにきている――ヒューは確信し、戦慄した。今までは“獲物を喰うつもり”だったのが、《十字傷》は“敵を殺す気”になった。
 ――片剣じゃ防ぎきれねェ!
 双剣でなければ……しかしそう思ったとき、ふと奇妙な意識の空隙をヒューは感じた。
 冷めた疲労が魔物のように背後から襲う。たとえ両剣揃ったとして、殺戮のために生まれた、この悪魔から逃れることなどできるのか?
「アア――ッ!」 気合いを発し、一瞬の弱気を幻にした。
 轟竜の右フック。前脚を大きく後ろに引いた懐に駆けこみ、股下を転がり抜けた。脚に深々突き立った剣を目にするなり掴みとる。が、抜けない。
 両手で柄を持ち、引き抜くため足まで掛ける。異変の形は静寂だ。長い尾をしならせ、力を溜めて巨躯を丸める竜の仕草。何かが来る。
 満身の力で剣を抜き、勢いで距離をとった。途端、轟竜の姿が高速でぶれた。
 後脚を軸にした巨体の回転攻撃だ。とっさに地に這いつくばったが、発生した風圧には耐えられない。ヒューは風に煽られ体勢を崩す。
 まずいな――烈しいフラッシュは、覚悟した意識の外側だった。
「無事か、ヒュー」
「……こっちの台詞だっての」
 竜の怒りの咆哮が朗々と轟きわたっていた。
 閃光玉のまばゆい輝きが収束していく。目をかばった腕を下ろした先に、汗と砂にまみれた銃槍師が立っていた。蒼ざめた、その顔。
 束の間、相棒の姿を見つめると、言いたくなかった言葉はすんなりと口から出ていた。
「ルイ、退こう」
「なぜ」
「なぜ!?」
「まだ罠は残ってる」
「正気かよ! 罠は一つしか残ってねえんだ。罠三つ、爆弾七つ使って尻尾も斬り落とせてないんだぞ。脚だってまだ全然じゃねえか。そんで閃光玉は残り何個だ? 俺は一個だ」
「俺は二個。まだ充分やれる。ここまできて諦めるのか?」
「違う! いったん退いて立て直すんだ」
「そのあいだに逃げられたら元も子もないぞ。やつを絶対に殺すと言ってたのは誰だ」
「このままじゃ逆に俺らが狩られる。だいたい俺よりお前のほうが――ごちゃごちゃ言ってる場合かよ! とにかく、……おい待て!」
 ――あいつの顔に鏡を叩きつけてやりたい!
 信じがたい気持ちで、ヒューは無言で身をひるがえしたルイの後を追った。
 ひどい顔色、肋骨か内臓をやられたのか姿勢が少しおかしかった。さっきのブレスか何かの直撃が効いているらしく、平衡感覚も怪しい気配だったのに。
 その状態で、しかもヒューの言葉を無視し、どうして竜に立ち向かえるのか!?
 視力を取り戻し、怒りを増した轟竜の両眼がルイに向く。
「戻れルイ、死ぬ気か!?」
「俺はまだ闘える! 最後の罠に掛けるまでは!」
 何がそこまでルイを駆り立てるのか。轟竜に向かう銃槍師は、もはやヒューの知っていた寡黙なハンターとは別人だ。
 《十字傷》の大跳躍。右前脚を突き出した格好で、二人のあいだに割りこむように突っ込んでくる。軌道を読んでかわす。着地と同時に砂の壁を立ち上げながら方向転換、銃槍師に向かい、轟竜は猛突進を開始した。
「危ねえ!」 とても見ていられなかった。
 両者のあいだにほぼ距離はない。轢き潰されたかと思ったが、防御したらしい衝突音のあと人影が砂煙から弾かれ出てくる。だがヒューは煙の奥からまっすぐ迫りくる地響きを感じ、とっさに走る方向を横に転じた。
「ガアアアアアアアアア!!」
 砂塵をぶち破って巨躯が暴走してきた。ヒューの鼻先をかすめ烈風のごとく通りすぎる。走り去った先でまた、急反転。
 ――いったい何回やる気だよ!
 進路上のすべてを破壊する突進だ。折り返すたび微妙に方向を変え標的を変え、繰り返される暴走はティガレックスの持つ真に致死的な攻撃だった。回避できず、これで肉塊となったハンターは数多い。ただ無理な反転は竜体にも負荷が大きい。普通は一二度が限度と聞いたが、《十字傷》に常識は通用しない。
「避けろ、まだ来るぞ!」
 ――言わんこっちゃねえ!
 ルイは限界だった。防御の反動で一度倒れ、起き上がったあとまた崩れている。ヒューの警告でかろうじて盾を構え、三歩手前を駆け抜けた轟竜の風圧には耐えた。竜も頭に血が昇り、突進ルートが少し逸れたのが幸運だった。
 だがその先にヒューは悪夢を見る。《十字傷》の再反転。
「馬鹿野郎、退け、ルイ――!」
 黒い銃槍が水平に構えられていた。耳に不吉な風鳴り音。ヒューはガンランスを扱えない。だが竜撃砲なら何度も見た。竜とルイの距離、突進のスピード、砲撃作動までの時間――絶対に間に合わない。
 もう呼びかける気はなかった。全速力で駆ける。ポーチから最後の閃光玉を探り当て、竜の進路に振りかぶって投げつけた。弾ける白光。止まらない騒音。外した。
 閃光の収束など待たない。一瞬の記憶を頼った全力のタックル。期待通りの衝撃があり、それ以外の衝撃があった。足に何か引っ掛かり、瞬間的にヒューは自分が跳んだ方向とは逆向きに猛烈な力で引っ張られる。あとは目茶苦茶だった。
 激突、強打、横転、殴打。もんどりうって肺から空気が押し出され、二度とは吸えなかった。砂と風に翻弄される。上下左右も激しく入れかわった。ようやく世界の混乱が終わるか否か、伏して砂を掴んだ大地に凶暴な振動。左半身に嫌な衝撃を感じた。
 はじめは熱いと思ったが、激痛の間違いだった。凄まじい力で振り回され、黄と青の縞模様が何度か視界を横切った。関節すべてを引きちぎられるような苦痛に全身が悲鳴をあげ、唐突に空白の浮遊感が身体を支配する。視界は青一色になった。
 どこか遠くで爆音が聞こえる。いや、咆哮かもしれない……。
 気がついたとき、ヒューはルイに支えられて暑い砂地を歩いていた。
「腕……、左腕が」
「悪かった。ヒュー、すまなかった」
「俺の腕、ついてるか」
「大丈夫だ、出血はしてない。傷はない」
「《十字傷》はどうした」
「肩を脱臼してるが、俺があとで入れる。骨折はわからないが」
「ルイ、《十字傷》は……」
「本当にすまなかった、ヒュー、本当に」
「《十字傷》はどこだ、ルイ!」
「ああ、バテてる。オーバーヒートだ。動けなくなってる。今のうちに退こう」
 もう少し頑張れるか、ヒュー、すまない――。
 ――やられたのは俺だろ。なんでこいつのほうがパニクってんだ……。
 しびれた頭芯が急に明快さを取り戻すほど、ルイの狼狽は激しかった。
 けれど同時に鮮烈な痛みも脳髄を貫き、ヒューは食いしばった歯の隙間から唸りを漏らした。怖れたようにルイの歩みが鈍る。ヒューはルイの肩に回した右手に力を入れ、なんとか背後の竜を確認しようとした。
 霞む視界。黄砂と青空で二分された世界の真ん中に、小山のように静止する轟竜。憤怒の赤色は鎮まり、しかし餓えた視線はいまだこちらをじっとり射抜いている。
 地上のすべての激烈さをたわめた全身が、逃がすものかと叫びをあげていた。
 過度の体温上昇は死を招く。しばらくは行動不能なはずの轟竜、その腕が振り上げられるのをヒューは見た。
「伏せろ……っ」 
 焼けつく砂漠にうつ伏せに倒れこむ。竜の方角から大雨に似た音が一気に押し迫り、大量の砂が二人の上に襲いかかった。頭の先、広範囲にドンドンと重い土砂の落下衝撃。
 ――あいつがやったのか!
 前脚で砂をなぎ上げ、津波のようにハンターへぶつけたのだ。遠距離の獲物をも打ち倒し逃がさない、肉体以外を使った初めての攻撃。
 ――間に合わないかもしれない。
 退避を予定していた洞窟がある。キャンプ近くまで地下道を通す空洞は、そそり立つ絶壁に狭く窪んだ入り口を開けていた。だがその前に立ちはだかる砂丘がひとつ、ふたつ。岩壁近くで戦う計画だったのに、いつのまにここまで誘い出されてしまったのか。
「ルイ、駄目だ。信じらんねえ。もう動きだした」
「まだ走れはしない。いいか、ヒュー、お前は絶対に置いていかない」
「ふざけんな、お互い様だ。砂丘登る暇はないってことだよ」
「だったら迂回する時間も……」
「でも、そっちに別の洞窟がなかったか」
「ある。浅い横穴だ。行き止まりだぞ」
「轟竜の胃袋よりマシだ」
「行こう」
 背後で《十字傷》の唸り声が低く渦を巻いていた。
 二人のハンターは、互いで互いを支え合っている有様だった。回復薬の小瓶を取りだし、一気に飲み干そうとしたが咳きこんで半分吐いた。正午をまわった太陽光がすぐさま水分を蒸発させ、防具から陽炎が立ちのぼる。
 重い足をひきずり必死に砂丘を回りこむ。嵐のような呼吸で喉が焼け、目には汗が流れこんだ。攻撃を警戒して神経をギリギリまで絞り、崩落して転がった大岩群の向こう、岩壁に小さな亀裂を見つけた頃には立っているのがやっとだった。
 洞穴にたどりつき、細い切れ目に二人はなんとか身体を潜りこませる。間近まで迫っていた《十字傷》の、腹の底まで震わせる野太い咆哮を背に振り切って。


(「8章 セクメーア、烈震」へ続く)
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コメント

絶対強者。

この言葉がこれほど相応しい飛竜がいるだろうか。

轟竜・ティガレックス。

MHP2および2Gにおいてハンターを散々に苦しめたドリフトキング。
その二つ名の通りに、轟く咆哮はこちらの戦意を根こそぎそぎ落とす。
まさに絶望の二文字が脳裏をよぎる、狩場での邂逅。

なによりも。
画面一杯に口を広げながらハンターを轢いていくその姿といったら!
「お前はなんでそう、嬉しそうなんだよっ……(泣)」
MHFでは“十字傷”に匹敵するような金冠サイズがゴロゴロと。
ギルコティガでも。鬼神シリーズのクエでも。
片手剣+回避性能で股下をくぐるのも楽しいですが、軸ずらし失敗→ドリフト確定のヘヴィではぁはぁするのも楽しい相手です。ティガもティガなら、私もたいがいなのか?w
遊び疲れた子供のように眠る捕獲後の姿が妙に微笑ましく、その寝顔はドンちゃんことパリアプリアと双璧をなす可愛らしさがありますね。

いえ、まあ……。
クエストの最中はもう、必死でございますとも!

第七章。
いまだ謎多きルイがいい味出てますねぇ。
互いの素性は詮索しないというのがこうした自由業の不文律。
過去に何を背負い、今を葛藤するのか。
男同士の信頼と友情と絆。
胸熱い展開になりそうな予感です。
くぅ~~~!!
なんて砂漠が似合うんだこの話はw
ふたりとも、某・外人部隊かなにかの傭兵でドンパチやってても通用しそうだなぁ。
一見、冷静そうなルイが実は無理・無茶・無謀の三拍子が揃っていたり。
ヒューってもしや苦労人なのか?w

脱線しました^^;
文面をところ狭しと暴れまわるティガに追い回されながら。
以下次号~♪
  • 2012-09-21│22:22 |
  • ロッソ・チネリ URL│
  • [edit]
ロッソさん、こんにちは!
私がトラウマ・ハンターです(`・ω・´)キリッ

いまだにティガの顔面にでかでかと「 無 理 」の文字が見えますよ……。

ドリフトキング。まさしく、まさしくw
あれだけ荒っぽい突進をかましながら、大口だけはブレずにハンターまっしぐら。
勢い余って壁に噛みついて抜けなくなるとか――実に、はしゃぎすぎです。
苦労させられる分、捕獲後はつい感慨深く観察してしまうんですよねw
トライからはちゃんと目を瞑るようにもなり、やたら満足げな寝息が憎らしい。
後脚も揃えて寝てたりして。ちなみに私は普段めったにお目にかかれないという理由で、足の裏をじろじろ見るのが好きです(足裏フェチ狩人見参

MHFも以前、数カ月ほど遊んだことがありまして(しかしHR50すら行ってますぇん)、あれはハンター側もモンスター側も、色んなメーター振り切ってましたね!
そのティガ相手にヘヴィですかw このこだわりこそ、ロッソさんの作品群だとお見受け。
私はガンナーで轟竜に勝てる気はしませんです、ハイ……。だいたい双剣で突っ込んで、振り向きざま前脚にひっかかり、こけて轢かれqあwせdrftgyふじこlp

小説、楽しんでもらえてるようで何よりです。いやはや、やっと7章までこぎつけました。
私の脳みそ裏返してパタパタ振ったらじゃりじゃり砂が落ちるんじゃなかろうかと疑うくらい、長い間この話を書いている気がする……。
しかしながら次章以降を書くためにこれまで伏線・積み上げをしたのであり、回収・清算を楽しもうと思います、まだまだ熱いッス! でもまた2、3ヶ月かかる悪寒!!

しかし、苦労人と言えば私は断然ヒデが筆頭にあがりますよw
ヒューは自分から当たっていくので砕けても自己責任ですがヒデは、ヒデは……良い彼女作れよぉ! ていうかミリィとうまくやれよw と、ひそかに思っている読者がここに一名。
それでは、コメントありがとうございました^^ 8章に取り掛かります~。

P.S. ウォーレスの人魚、とても面白かったです。教えていただけてよかった!
   原因不明の不気味な自然現象が描かれるSF、大好物なのですよ……。
  • 2012-09-23│22:53 |
  • 銀貨 URL│
  • [edit]
おおー。
ウォーレスの人魚、読みましたか!
以前、銀貨さんのコメにイルカという単語があったので、そこから紹介してみたのですが。
いやはや、それなりに文章量のある作品なので歯ごたえがあったのでは?
なんだか私も嬉しくなってしまいますね^^

実のところ。
SFはほとんど読んでいなくて不勉強でごさいます><
継続して読んでいる作家さんといえば野尻抱介さんくらいでしょうか。

神林さんの『敵は海賊~』や『戦闘妖精・雪風』
ディプトリィJr.の『たったひとつの冴えたやり方』など。

前者は二つのシリーズが同じ作者だったということに驚き。
後者はこの作品がディプトリィJr.の作品だったと後で知る始末で・・・orz

この機会に少しずつ読んでみようかと思います。
SFはタイトルのつけ方が面白く、それで興味を惹かれる事がしばしば。
某・密林から神林さんの『いま集合的無意識を、』を紹介されたので購入しようかと。
併せて『たったひとつの~』も買おうかなぁ。
なにかオススメがあれば教えて下さいな^^


追記。
ヒデって人気者なのねぇ^^;
狂言回しのポジションが楽なキャラクタなのでつい、作者に振り回されております。
ネトゲにもリアルにも、ぽっかりと時間が空いたのでなにやら書きたいですのぅ。
プロットありきで筆を進める方ではないので、勢いが乗らないとダメダメという・・・orz
ええっと、ほら。読むほうが面白くて・・・(アセアセ)
よし、書く。書きます!w
  • 2012-09-25│21:31 |
  • ロッソ・チネリ URL│
  • [edit]
うおおおお、やった! おいみんな聞いたかぁ、ロッソさん、新作来るってよ!
座してお待ちしていますとも、ドゥフフ!!

ヒデは、実際は安定感のある頼りになるハンターと思われるのに、いかんせんあの強力アタッカー二人に挟まれていると、巻き込まれ型不運属性がそこはかとなく匂ってきてですね、幸せになってくれと願わずにいられないというか……。
いや、たぶんヒデにすれば余計なお世話かもしれませんけどもw

で、ウォーレスの人魚。続きが気になって2日で読了でした。
イルカとの意思疎通うんぬん場面を読んで、あ、ここからの繋がりか、と一人ガッテンw

人間が、人間以外の生物と理解しあうことは可能なのか、という疑問を先日のMH3短文でなんとなく書きましたが、ペットを飼う人たちが犬猫の感情を察するように、脳というハードの設計がだいたい同じなら、ある程度の理解もとい推測は可能っぽいよな~とも思います。
逆に、そもそも遺伝物質がDNAじゃないとか、脳が無い生物、地球外生命、あるいは機械の意識や思考や論理は人間には到底理解不可能なのではないか――みたいな話が入ってくるのが神林長平やティプトリーJr、でしょうか。
いや、ティプトリーは変な異星人を大量に書くけど、人間社会の隠喩が多いかも……。

しかし神林長平もティプトリーも両方ご存知だったとはっ。
神林さんは作品の差が激しいですよねー。思考を思索するタイプの小説は、私はついていけません^^;
ティプトリーは、なんというか、原色絵具を容赦なく頭ン中にぶちまけられるような、過激でドライでエロくてシビアなイメージの乱舞が好きです。自分で何言ってるかわからん。

何だかんだ言って私もSF歴1,2年。むしろ野尻さんを読んでないのですが……
『ウォーレスの人魚』の静かな文体を読んでからおススメするなら、堀晃『遺跡の声』かな。
ノスタルジックでメランコリックな、ややハード方面のSF。
銀河系辺縁の静寂、忘れられた遺跡、滅んだ種族、滅びゆく星、死んだはずの彼女、青い結晶生命体である“相棒”…… 孤独や寂寥感にビビッと来るようでしたら、オススメですw

つい興奮して長々と……。
あっ、民話とか社会文化っぽいテーマだったらアーシュラ・K・ル・グィン『闇の左手』とか(いいかげんにします
  • 2012-09-28│00:07 |
  • 銀貨 URL│
  • [edit]
おお。
ここでル・グィンの名前を聞こうとは!
学生の頃に読んだ『ゲド戦記』は今では我が家の書棚に。
ミヒャエル・エンデの『はてしない物語』『モモ』と共に青春の書です。
はてしない~は映画“ネバーエンディンクストーリー”の原作ですね。
ちょいと気になってクグってみれば、ル・グィンはファンタジー作家である前にSF小説の大家なのですねぇ。ゲド戦記の印象が強いので驚きです。

改めて自分の書棚を見返してみるとやはりSFジャンルが少なく……。
自分が幻想と物語の住人なんだなと再認識。

澁澤龍彦の、衒学的で幻想的なエッセイや小説の数々や、色彩豊かな翻訳。
佐藤賢一の、歴史上の人物や出来事が鮮やかに書き出された歴史小説。
大塚英志の、史実の裏に隠された魔術的な真実を語る“偽史”小説。
津原秦水の、耽美でどこか恐ろしい短編集『綺譚集』
牧野修の、倒錯とドラックの連作短編『MOUSE』
江戸川乱歩、夢野久作、久生十蘭らミステリィと怪奇とエロスを描いた小説群・・・。

・・・いい加減にしま(ry

銀貨さんのオススメ、昔に手を伸ばしかけたSF小説と併せて読んでみようと思います。
あれこれと読み出すと止まらなくなるので程ほどにせねば><

コメにコメして本スレより長くなりつつ・・・orz
読書の虫が騒ぐ前に、手を動かそうかと思いまする。
色々と申し訳なし><
  • 2012-09-28│20:50 |
  • ロッソ・チネリ URL│
  • [edit]
なんという逆体験。
自分は『闇の左手』読了後、『ゲド戦記』の著者を知りましたw
『はてしない物語』、懐かしい。あまりのインパクトに一生忘れる気がしない名だ、
バスチアン・バルタザール・ブックス。

お、なんかスゴそうなのが並んでおる……と、ざっとggりましたが
なるほど歴史&幻想怪奇ジャンル、でしょうか。
私はミーハー(死後…じゃない、死語)なので、読むのはせいぜい夢枕獏、
京極夏彦くらい。漫画だと『百鬼夜行抄』とか。
次に書店に行く時は、ちょっと気にしてみたいです。
特に日本・中国以外の歴史小説は完全ノータッチなもんで、
自分もこの機会に何か手を出してみようかなぁとか。佐藤賢一か、ふむ……。

ところで活字でなくて恐縮ですが、もし絵画を見ることがあれば
松井冬子さんをソッとお勧めしてみます。
紅白の審査員になるほど売れ筋なので、勧めるまでもないかもしれない。
あの人は幻想怪奇の系統だと、勝手に思っているので……w

いやいや普段は一人で読書してるだけなので、色々話を聞けて楽しかったです!
しかし、そう、読んでばかりだと書けなくなるので私も危ない。
特に感動しすぎて圧倒される作品には、引きずられたり気力が失せるから要注意で。
ゲーテは言った、「シェイクスピアは年一回にしろ」と……。

ハンターローグの物書きさんは、小説が上がる際にしか活動がわからない方が多いので
ネットのどこかしらで消息が知れると、やっぱ嬉しいです^^
また何ぞありましたらお気軽にどうぞ~!
  • 2012-09-29│15:57 |
  • 銀貨 URL│
  • [edit]
(このコメントは9/18/2012に霰舞さんによって投稿された内容を、銀貨が移動させたものです)



おはようございますー!
PoI、ちょくちょく呟きにのぼって気になってはいたのですが、制作陣すごいですね……! これは時間作って是が非でも見なければっ。 ついでに兄(LOST好き)と姉(ダークナイト好き)も釣ってこようと思いますw

しかし早朝から急展開を熱く読ませていただきました……、今燃えに燃えております。血圧とテンション上がる上がる。
流石銀貨さん、いつもながら迫力ある竜の描写と狩りの臨場感がすンばらしい…。この切り口の多様さと観察眼、見習わねばw
ヒューの高揚と狩りに成長が感じられます^^
前回、前々回との違いについついニヤリ。今また銀嶺から読み返せば、違う感慨があるのでしょうね。これぞ続き物の醍醐味!
佳境であればあるほど質とペースを維持するのは困難なことと思いますが、ルイの過去とこの先の転換も含め、まだまだ続くティガの洗礼を楽しみにしておりますよ^^
あ、あとふりがなは全く問題ないです!少なくとも私は今のところなくても大丈夫ですんで(笑

読後の興奮丸出しで乱文失礼致しましたw
それではまた!
  • 2013-07-24│23:01 |
  • 霰舞 URL│
  • [edit]
(このコメント9/19/2012に銀貨が投稿したものを、7章まとめ作業で移動させたものです)



>霰舞さん

どうもこんばんはー! 各話3,4回見直す程度にハマってますPoI!
物語、演技、演出、音楽どれも印象的なので何度も見てしまう。
主演の一人はLOSTで悪役を演じたマイケル・エマーソンだそうで。
私は特にもう一人、ジム・カヴィーゼル演じるMr.リースの殴る蹴る撃つ脅すのアクションシーンがオススメであります。超つええ。何より容赦ねえ……。
主演二人の微妙な距離感、使う者使われる者、追う者追われる者の関係も面白い。
ちなみにDVDレンタル開始は10月10日、らしいです!

早朝感想ありがとうございます!w そして恐縮なお言葉まじ恐縮です。
戦闘描写であまり悩むことがないのは、たぶんPoIのようなドラマや映画でアクションシーンを大喜びで見ているから、だろうか……。あとは、闘いや動きを表現する単語を見つけてきては、メモる努力が報われているのかと喜んでみますw
いや、語彙はなかなか増えませんね;

熱砂は序章から空気重かったので、ここへ来てやっとヒューがヒューだな、という気分です。
銀嶺から読み直すと……せ、成長しているだろうか、大丈夫か主人公w 当たって砕けろ主義は変わってない気がします、上位あがりたての分際で轟竜討伐。
兄貴は言った、「お前に自殺願望があるとは知らなかった」と……。

ふりがな、大丈夫ですか! 毎度悩むんですよ、膂力とか隘路とか痙攣とか使っちゃうと。では今後も独断と偏見で、読みをつけたりつけなかったりしようかな……。

てなわけで、ありがとうございました! 7-3UP作業しまーす。
  • 2013-07-24│23:03 |
  • 銀貨 URL│
  • [edit]

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